1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06301063
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原 暉之 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (90086231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中見 立夫 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (20134752)
有馬 学 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 教授 (80108612)
酒井 哲也 東京大学, 教養学部, 助教授 (20162266)
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Keywords | セミョ-ノフ / シベリア出兵 / 日露関係 / 黒木親慶 / 荒木貞夫 / 皇道派 / モンゴル / ブリャ-ト |
Research Abstract |
本研究の目的は、従来本格的な学術調査のメスを加えられることなく放置されていた宮崎県立図書館の保管になる黒木親慶文書を総合的に分析することを通じて、研究代表者および各研究分担者の分担する研究テーマを堀り下げるとともに、日本史・東アジア史・ロシア史の接点において新たな共同研究の方途を探ることにあった。今年度の主要な研究活動としては、(1)宮崎県現地(同県立図書館・えびの市歴史民俗資料館)における原資料の調査、(2)東京(国立国会図書館・外務省外交史料館・防衛庁防衛研究所図書室・財団法人東洋文庫等)における関連資料の収集、(3)札幌(北海道大学)における研究報告会の開催、等を挙げることができる。まず(1)の結果として、アタマン・セミョ-ノフおよびその周辺の白系ロシア人より黒木親慶に宛てられた書簡類など、ロシア文マニュスクリブトの解読をほぼ終わることができた(さらにそのデータベース化を現在推進中である)。これにより、黒木少佐と白系ロシア人集団のつながりや、後者の内部の人脈関係が明確な輪郭をえがいて浮かび上がってきた。また(2)ではセミョ-ノフの伝記資料、荒木貞夫関係資料、いわゆる満蒙独立運動関係資料など、多岐にわたる文献を集めた。これにより「黒木親慶とセミョ-ノフ」と主題とする基礎データとして今後活用することができるようになった。(3)では研究代表者・分担者による研究報告について討論を行うとともに、別途に進めているセミョ-ノフ自伝の訳注・解題執筆作業およびプロジェクト研究「日露関係史の再検討」との有機的関連づけに努めた。これにより本研究組織を核にして、より広い研究交流(当然国際的な研究となる)を実現するための有力なきっかけとすることができた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 原 暉之: "内戦終結期ロシア極東における地域統合" ロシア史研究. 56. 28-38 (1995)
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[Publications] 有馬 学: "戦争のパラダイム-斎藤隆夫のいわゆる「反軍」演説の意味" 九州大学大学院比較社会研究科紀要. 1. 1-9 (1995)
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[Publications] 中見 立夫: "文書史料にみえるホクトホの"実像"" アジア・アフリカ言語文化研究. 48・49. 371-386 (1995)
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[Publications] 中見 立夫: "ロシアのアルヒ-フを訪ねて" 近代日本研究通信. 22. 67- (1994)
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[Publications] 中見 立夫: "ロシアの満州学・清代中国東北史研究瞥見" 満族史研究通信. 4. 38-50 (1994)
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[Publications] 原 暉之: "シベリア出兵の罪と罰-ラゾの処刑をめぐって-" 軍縮問題資料. 168. 16-21 (1994)
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[Publications] 原 暉之、酒井哲也 他: "講座スラブの世界(8)スラブと日本" 弘文堂, 383 (1995)
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[Publications] 有馬 学 他: "宮崎県史史料編 近・現代3" 宮崎県, 800 (1995)