1996 Fiscal Year Annual Research Report
電子陽電子リニアコライダー実験における測定器の開発研究
Project/Area Number |
06302019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 富雄 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (50126059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 隆幸 高エネルギー物理学研究所, 教授 (10165748)
武田 廣 神戸大学, 理学部, 教授 (30126114)
笹尾 登 京都大学, 理学部, 教授 (10115850)
梶川 良一 名古屋大学, 理学部, 名誉教授 (40022537)
岩田 正義 高エネルギー物理学研究所, 教授 (80022698)
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Keywords | 電子陽電子衝突装置 / バンチ圧縮 / トップクォーク / ヒッグス粒子 / 標準理論 / 超対称性理論 / カロリメータ |
Research Abstract |
次世代の電子陽電子衝突装置JLC(Japan Linear Collider)を用いた素粒子実験の物理のシナリオを詳細に検討し、これに沿った測定器の検討と開発研究を行った。 1.JLC加速器開発研究においては、試験用設備を用いてビームのバンチ圧縮等の技が新たに開発され、大きな成果が得られた。また、JLCを光子光子衝突装置として用いる可能性についても深く検討が行われた。 2.JLC実験においてトップクォーク生成の研究から、トップクォークとヒッグス粒子の結合強度を測定出来ることが分かり、これによりヒッグス粒子の重要な性質を調べられることが示された。また、ヒッグス粒子のいくつかの崩壊モードを比較することにより、生成されたヒッグス粒子が標準理論で予言されるものかあるいは超対称性理論で予言されるものか識別出来ることが示された。 3.測定器の開発研究においては、従来のものより一段と長いワイヤー(約5m)を持つ荷電粒子飛跡検出器の試作が行われ、期待される測定精度(100μ)が得られることが分かった。また、カロリメータ用として強磁場中でも動作する光検出器の開発も行われた。これらの開発研究や前年度までの成果を取り入れたJLC実験用測定器の詳細シミュレーションプログラムが作成された。これは今後進められることになる測定器の詳細設計に重要な役割を果たすであろう。
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