1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06302025
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安藤 雅孝 京都大学, 防災研究所, 教授 (80027292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 洋 九州大学, 理学部, 助手 (50178985)
須田 直樹 名古屋大学, 理学部, 助手 (10222069)
深尾 良夫 東京大学, 地震研究所, 所長 (10022708)
長谷川 昭 東北大学, 理学部, 教授 (40004460)
佐藤 魂夫 弘前大学, 理学部, 助教授 (40111223)
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Keywords | J-array / 地震観測網 / アレー地震観測網 / 地球内部構造 / 実体波の伝播 / 地球中心核 / 地震予知計画 / 微細構造 |
Research Abstract |
日本列島に展開されている地震観測網を地球に向けられた望遠鏡(J-array)とみなし、これらのデータを基に地球内部の微細構造を求めるのが当研究の目的である。全国8大学、2国立機関の観測網の連続データは各地震観測網毎で収録され、データセンター(京大防災研)に送付され編集が行われている。編集されたデータは、各機関に再び送られ、解析に供される。当該年度では、以下のように3項目を主要課題として取り上げた。(1)1991年から開始されたJ-array計画により蓄積されてきたデータの再編集。(2)これらのデータの公表。(3)J-arrayデータを用いた研究成果に関する報告会の開催。以下順次これらについてまとめる。 1991年から1993年まで比較的大きな地震をなるべく広い地域から60個を選び、すべての波形記録をSAC形式に変換し、ハードディスクに記録した。これらのデータはインターネットを通し自由に取り出すことが可能となった。さらに、これらの60個の地震波形のペーストアップ記録を印刷し、波形等を作成した。波形等には、実体波伝播、実体波と波形と地球内部の微細構造との関連と詳しい解説が付けられている。一つ一つの地震は、それぞれ発震時から1時間の波形が距離に応じて並べられている。(1)データの編集 従来の方法と同様のためここでは特に触れない。(2)データの公表 走時曲線も同時に示した。観測波形の中には数多くのよく知られた相と同時にIASPEI 91には示されていない相もいくつも見られる。これらのunknown相については、波線追跡法により波の性質を明らかにした。この結果、これらのunknow相は、現在知られている顕著な不連続面上での反射波や変換波の組み合せで説明できることが明らかになった。印刷された波形は、同時にCD-ROMにも焼き付けられ、全国の研究者に送付されつつある。これらのCD-ROMは世界の研究者にも送付される予定である。J-arrayは日本が世界に発信する極めて重要な地震データと言えよう。(3)研究集会の開催 1月10日に全国の研究者が地震研究所に集まり、研究集会を持ち、これらの成果を1996年1月にJournal Physics of the Earth の特集号として発行することを決定した。以上のように、今年度の目的は達成され成果が十分に挙げられたものと思われる。
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[Publications] 安藤雅孝: "地球深部を見る地震観測網“Jアレイ"" 科学. 64. 699-700 (1994)
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[Publications] Nakamura,M,and Ando,M.: "Anomalous phases observed in Seismograms of deep earthquakes." Bull.Disast.Res.Inst.,Kyoto Univ.44(in press). (1994)
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[Publications] Jアレーグループ: "Jアレー波形集" Jアレー波形集(森田裕一編集). (1994)
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[Publications] 安藤雅孝,平原和朗: "地球中心核日本列島地震大アレー" 月刊地球. 15. 67-74 (1993)
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[Publications] 山崎朗,平原和朗: "日本周辺の沈み込み帯における上部マントル速度構造(1)" 日本地震学会講演予稿集(1994). No.2. 107 (1994)