1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06302026
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
新田 勍 東京大学, 気候システム研究センター, 教授 (00014762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 内蔵進 名古屋大学, 大気・水圏科学研究所, 助手 (90191981)
児玉 安正 弘前大学, 理学部, 助教授 (30205421)
篠田 雅人 東京都立大学, 理学部, 助教授 (30211957)
松本 淳 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80165894)
佐藤 薫 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90251496)
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Keywords | 熱帯の降雨 / 衛星観測 / 降雨レーダー / クラウドクラスター / 梅雨前線 |
Research Abstract |
(1)TOGA-COARE期間中の対流活動の季節内変動(ISO)を解析し、熱帯対流活動の階層構造-惑星規模のISO、東進する総観規模のスーパークラスター、西進するクラウドクラスター-を確認した。 (2)日降水量データ及びOLR半旬平均データを用いて、インドシナ半島での雨季の開始・終了時期の解析を行った。その結果、インドシナ半島内陸部ではとくに早く雨季が始まることがわかった。 (3)サヘル地帯の近年の降水の減少傾向は、降水帯の位置の南北変化によりも、降水帯全体の総降水量の減少による影響が大きいことが明らかになった。また、この減少傾向は、インド用の海面水温の上昇傾向と関係しているものと考えられる。 (4)南部アフリカ地域の夏の降水量の年々変動は、ENSOに関連した海面水温変動と高い相関がある。 (5)1992年6月の中国大陸の梅雨前線の形成過程を調べた。その結果、チベット高原近傍の大気循環が重要な役割を果たしていることがわかった。 (6)南太平洋収束帯(SPCZ)と南大西洋収束帯(SACZ)では、雲クラスターの分布特性に大きな違いがあり、これは大陸の有無という条件の違いの影響と思われる。 (7)水惑星大気大循環モデルによる実験で、亜熱帯降水帯の形成には、熱帯のモンスーン的な熱源が重要であることがわかった。 (8)バングラデシュで大洪水のあった1987年と1988年の2年間について、広域的な降水量分布を解析した。この2年では、インド全体での降水量分布が大きく異なっているにもかかわらず、バングラデシュ付近での降水分布は類似していることがわかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tsuyoshi Nitta: "Summer climate variability in china and its association with 500hPa helght and tropical convection" J.Meteor.Soc.Japan.74. 425-445 (1996)
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[Publications] Zeng-Znen Hu: "Wavelet analysis of summer rainfall over North China and India and SOI using 1891-1992 data" J.Meteor.Soc.Japan. 74. 833-844 (1996)
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[Publications] Jun Matsumoto: "Rainfall distribution over the Indian Subcuntinent during the 1987 and 1988 severe floods in Bangladesh" Bull.Dept.Geogr.Univ.Tokyo. 28. 25-44 (1996)
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[Publications] Masato Shinoda: "Relationships between rainfall over semi-arid southern Africa,geopotential heights and sea surface temperature" J.Meteor.Soc.Japan. 74. 21-36 (1996)