1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06302072
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平川 一臣 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (40126652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成瀬 敏郎 兵庫教育大学, 教育学部, 教授 (60033510)
伊勢屋 ふじこ 上武大学, 商学部, 助教授 (00193384)
池田 宏 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (20015986)
斎藤 亨治 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (60170495)
小口 高 東京大学, 理学部, 助手 (80221852)
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Keywords | 最終氷期 / 古環境 / 乾燥化 / 河川流量 / 周氷河現象 / 化石動物群 / 海洋環境 / 大気大循環 |
Research Abstract |
最終氷期において,亜氷期とされるアイソトープステージ2,4について,日本列島の乾燥化に関する野外調査,資料の収集,資料の室内分析等を行った. 1.河川流量の変化については,伊那谷,松本盆地の諸河川,大井川,黒部川を対象にして,現在の河床礫および段丘礫,扇状地礫について主として粒径分析を行なった. 2.植生変化については東北地方において花粉分析試料をボーリングによって収集した.さらに閉塞盆地における山地斜面からの物質供給の変遷について試料採取および記載を行なった.また木曽山脈千畳敷において植生環境の野外調査をおこない,古植生復元のための基礎資料を作成した. 3.周氷河地形については,北海道の東-北部および八ケ岳山麓高地において記載資料を得た.これらに基づいて,氷期における凍結深および永久凍土の分布南,下限に関する基礎的資料を作成した 4.レスについては,北海道の北部で試料を採集し,あわせて室内分析をおこなった.その起源およびフラックス変化に関する検討を行なった. 5.氷河地形については,日高山脈において野外調査を行なうとともに,解析図化機によって大縮尺地形図を作成し,過去の氷河,雪線高度を復元し,積雪量,夏の気温低下を検討した. 6.化石動物群については,主として近畿地方の多くの産出地点において野外調査および試料収集を行なった. 7.海洋環境については,深海底堆積物の分析を行なった. 8.以上の各分野からのデータを統合しながら,東アジアの大気大循環モデルを検討している. 9.野外調査によって多くの年代測定試料が得られた.現在,それらの年代測定を依頼中である.
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[Publications] 大場 忠道: "過去160万年間の大気Co2濃度と最終氷期の地球環境" 環境管理. 30. 1-10 (1994)
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[Publications] 大場 忠道: "最終氷期の地球環境-なぜ大気Co2濃度が薄かったか-" 可視化情報. 14. 25-30 (1994)
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[Publications] 大場 忠道: "北太平洋の深海底コアから推測れる最終氷期の世界" 地学雑誌. 103. 853-860 (1994)
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[Publications] Oba,T.: "Paleoenvironmental change of the Kuroshio region off Japan since the Last Glacial age." IGBP Sapporo Proceedings. 478-491 (1995)
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[Publications] 山田 周二: "西ネパール,ヒウンチュリ山群における氷河の最大拡大範囲と平衡線高度" 地学雑誌. 103. 140-148 (1994)
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[Publications] Iwata,S.: "Past glaciers on northern slopes of the west Kunlun Mountains and ruins along the silk road,western China:A preliminary Report." Geographical Report Tokyo Metrop.Univ.30(印刷中). (1994)
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[Publications] 岩田 修二: "ヒマラヤ,チベット山塊東南部における埋設土壌の形成環境と民族移動" 三重大学人文論叢. 11. 45-62 (1994)
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[Publications] 河村 善也: "AT火山灰降灰前後の瀬戸内周辺地域の哺乳動物相" 中,四国旧石器文化談話会 瀬戸内技法とその時代. 282-284 (1994)
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[Publications] 成瀬 敏郎: "シラス台地上のレス質土壌とその堆積環境" 地理科学. 49. 76-84 (1994)
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[Publications] 井上 克弘: "東アジア中緯度域における雨水の水質に及ぼす広域風成塵の影響" 日本土壌肥料学会誌. 65. 619-628 (1994)
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[Publications] 福沢 仁之: "福井県水月湖の完新世堆積物に記録された歴史時代の地震,洪水,人間活動イベント" 地学雑誌. 103. 127-139 (1994)
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[Publications] 福沢 仁之: "水月湖細粒堆積物に認められる過去2000年間の風成塵,海水準,降水変動" 地学雑誌. 104. 52-64 (1995)
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[Publications] 福沢 仁之: "東アジアにおける更新世後期の気候変動を記録した日本海の深海堆積物" 地学雑誌. 16. 678-684 (1994)
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[Publications] 福沢 仁之: "ジャワ島沖ピストンコアに記録された氷期ステージの解体プロセス" 月刊地球. 16. 662-667 (1994)
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[Publications] 福沢 仁之: "天然の時計,環境変動検出計としての湖沼の年縞堆積物" 第四紀研究. 34(印刷中). (1944)
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[Publications] Wakatuchi,M.: "Observation of a street of cyclonic eddies in the Indian Ocean Sector of the Antarctic divergence." J.Geophys.Res.99. 20417-20426 (1994)
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[Publications] Honda,M: "The influence of the sea ice and the wind field on the winter air temperature variation in Hokkaido" Proc.NIPR.Sympo.8. 81-94 (1994)
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[Publications] Oguchi,T.: "Late Quaternary geomorphic development of mountain river basins based on landform classification:the Kitakami region,Northeast Japan" Bull.Dep.Geogr.Univ.Tokyo. 26. 15-32 (1994)
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[Publications] Oguchi,T.: "Late Quaternary geomorphic development of alluvial fan-source basin systems:the Yamagata region.Japan." Geogr.Rev.Japan. 67. 81-100 (1994)
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[Publications] Ono,Y.: "Snowline elevation and eolian dust flux in japanese Islands in the isotope stages 2 and 4" Quaternary International. (in press). (1995)
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[Publications] Dudson,J.R.: "Timing of late Quaternary vegetation response in the 30-50 latitude bands in southeastern Australia and northeastern Asia." Quaternary International. (in perss). (1995)
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[Publications] 三浦 英樹: "北海道北部の凍結割れ目構造の分布と起源" 地学雑誌. 104(印刷中). (1995)
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[Publications] 福沢 仁之: "三方五湖の湖底コアが語ること(日本の自然,4中部)" 岩波書店, 131-133 (1994)
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[Publications] 若土 正暁: "基礎雪氷学講座 VI 雪氷水文現象" 古今書院, 196 (1994)