1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06304005
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
桜井 勝 金沢大学, 理学部, 教授 (80143874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 興亜 名古屋大学, 農学部, 教授 (50023411)
溝口 明 名古屋大学, 理学部, 助教授 (60183109)
早川 洋一 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (50164926)
片岡 宏誌 東京大学, 農学部, 助教授 (60202008)
岩見 雅史 金沢大学, 理学部, 助教授 (40193768)
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Keywords | 昆虫 / ペプチドホルモン / 前胸腺刺激ホルモン / ボンビキシン / 休眠ホルモン / 神経分泌ホルモン / PBAN |
Research Abstract |
本年度の研究計画遂行状況は、当初計画を順調にこなしつつあり、満足の行くものである。新規ペプチドホルモンの同定に関しては、休眠ホルモンの補助因子としてVAPが同定され、この遺伝子も同定された(山下)。また、甲殻類の脱皮抑制ホルモン(MIP)と血糖上昇ホルモン(PDH)の全構造が新たに同定された(長沢)。神経ペプチドの受容体検索は、ボンビキシンの受容体がカイコ由来の培養細胞(BM-N4)からクローニングされ、インスリン型受容体であることがわかると共に、PTTH受容体が100kDaのペプチドであり、このクローニングの見通しもたつようになった(片岡)。神経ペプチドホルモン産生調節の解明の一貫として、30数コピーあるボンビキシン遺伝子のそれぞれの発現様式がカイコ脳神経分泌細胞でほぼ明らかとなった(岩見)。また、ボンビキシンとPTTHをあわせた体液中濃度の詳細が明らかとなり、PTTH分泌は日変動があることが判明した。ボンビキシンの作用に関しても作業仮説を立てるに十分な知見が得られた(溝口)。神経ペプチドホルモンの発現機構として、前胸腺刺激ホルモン(PTTH)に関しては、アセチルコリンが速い刺激因子であり、セロトニンが遅い刺激因子であることがわかり(相薗)、また成長抑制ペプチド(GBP)の作用は表皮細胞で産生・分泌される血中ドーパミンを介していることが明らかとなった(早川)。神経分泌細胞の神経による分泌調節は、フェロモン生合成活性化ペプチド(PBAN)産生細胞と末梢神経の関係をモデルとして研究した結果、末端交尾受容器から介在神経を経由して産生細胞からの分泌調節と中枢からの分泌調節が拮抗することが示された(市川)。また、これら神経ペプチドホルモンの下流にあるホルモンであるエクジソンと幼若ホルモンの分子レベルでの作用解明のためのモデルとして、末梢ホルモンによる翅成虫原基の蛹決定及び代謝変換の基本的知見の集積がほぼ完了し、遺伝子レベルでの研究が始まった(桜井)。以上、本年度の研究成果は、平成8年度に予定する計画内容を支障なく発展できるものである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Iwami et al.: "Bombyxin‐related peptides: cDNA structure and expression in the brain of the hornworm Agrius convoluvuli." Insect Biochem. Molec. Biol.26. 25-32 (1996)
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[Publications] Z‐H.Su,O.Yamashita: "Molecular characterization of ovary trehalase of the silkworm,Bombyx mori and its transcriptional activation by diapase H." Biochem. Biophys. Acta. 1218. 366-374 (1994)
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[Publications] J.Dai,A.Mizoguchi: "Developmental changes in the prothoracicotropic hormone content of the bombyx mori brain‐retrocerebral complex..." Develop. Biol.171. 212-223 (1995)
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[Publications] H.Nagasawa et al.: "Isolation and structural determination of seminal vesicle‐specific peptides of the terrestrial isopod." Biosci. Biotech. Biochem.59. 1246-1250 (1995)
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[Publications] Y.Hayakawa: "Growth‐blocking peptide: an insect biogenic peptide that prevents the onset of metamorphosis." J. Insect Physiol.41. 1-6 (1995)
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[Publications] M.Tanaka,H.Kataoka: "Morphological changes of BM‐N4 cells induced by bombyxin,an insulin‐related peptide of Bombyx mori." Reg. Pep.57. 311-318 (1995)