1994 Fiscal Year Annual Research Report
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06304009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
熊倉 博雄 大阪大学, 人間科学部, 助教授 (00178063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 秀雄 獨協医科大学, 医学部, 講師 (80201599)
俣野 彰三 大阪大学, 人間科学部, 教授 (30028724)
山崎 信寿 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (70101996)
石田 英実 京都大学, 理学部, 教授 (60027480)
遠藤 萬里 東京大学, 理学部, 教授 (20011504)
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Keywords | 歩行能 / 個体発達 / 系統発達 / 加齢変化 / 形態と機能 / ヒト / 霊長類 |
Research Abstract |
本総合研究は歩行能の成熟過程を、系統発達と個体発達の面から分析するとともに、運動器の形態的加齢変化に伴って生じる運動の退行性変化をも分析することを目的としている。具体的には、1.霊長類との比較による系統発達的側面、2.ヒトを含む霊長類の運動器形態の加齢変化、3.加齢変化に対抗する機能的調節の3側面を総合的に明らかにしようとしている。系統発達的側面については、足関節の形態ならびに運動の系統発達を明らかにするために、足関節運動を3次元的に記録する手法が開発され(熊倉)るとともに、肩関節における筋線維立体構築の種間比較が行われている(藤野)。次に、形態学的加齢変化の実態を明らかにする試みとしては、ヒトを材料としてその長骨(高橋・山下)、相対筋重量(伊藤)、末梢神経(俣野)の年齢変化が分析され、高齢個体の特徴が明らかにされた。また、霊長類については、リスザル(國松)とニホンザル(中務・石田)について骨端の癒合年齢という発達、成熟の側面についての分析がなされた。特に、ニホンザルについてはこのような年齢変化を運動機能の発達・成熟と関連づける試みがなされている。最後に、加齢に対抗する機能的調節の実態については、ヒト高齢者の歩行の分析が試みられている。高齢者では歩幅が狭いという歩行特徴がよく知られているが、このような歩行特徴に対応した独自の床反力計が開発された(遠藤・足立)。また、感圧紙を用いた足底接地状態の検索という試みも行われた(真家)。さらに、身体プロポーション等の体構成の加齢変化が二足歩行運動に与える力学的影響を明らかにするために、神経振動子系と身体多重振子系との力学的協調モデルによる自律的歩行運動生成手法が開発された(山崎)。霊長類についても、歩行運動の加齢変化の実態を明らかにするために、野外における高齢ニホンザルの運動特徴が分析された(中野)。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 長谷和徳,山崎信寿: "神経振動子と遺伝的アルゴリズムを用いた2足歩行体形の力学的自己組織化過程" 第9回生体・生理工学シンポジウム論文集. 299-302 (1994)
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[Publications] Nakatsukasa,M.: "Ontogenetic development and functional movphdigy of linb bones in Joponese macogul" Authropological Science. 103(in press). (1995)
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[Publications] 真家和生: "床反力解析からみた歩行の加齢変化" 理学療法. 11. 267-276 (1994)
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[Publications] Hirosaki,E.,Kumokura,H.,Nanoro,Y.,Matano,S.: "Anolysis of foot lcinematics of monkoys duvig lorel walking." Anthropological Science. 103(in press). (1995)
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[Publications] 藤野 健: "ニホンザルの回旋腱板の繊維構築について" 霊長類研究. 11(印刷中). (1995)