1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06304027
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
淀井 淳司 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80108993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
枡田 緑 関西医科大学, 医学部, 講師 (50173753)
二階堂 敏雄 信州大学, 医学部, 講師 (50180568)
羅 智靖 順天堂大学, 医学部, 講師 (60230851)
熊谷 俊一 神戸大学, 医学部, 教授 (00153346)
清水 章 京都大学, 遺伝子実験施設, 教授 (00162694)
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Keywords | Fc受容体 / シグナル伝達 / lgE / lgG / リンパ球 / イムノグロブリン |
Research Abstract |
1.Two-Hybrid Systemを用いてCD23を解析した。検出された未知のcDNAをプローブとして、ヒトの各臓器に対し解析した。その結果、すべての臓器において発現が検出され、ubiquitousな蛋白であると予想された。ヒト胎盤のライブラリーをスクリーニングしてその全塩基配列を決定した。その結果、127アミノ酸よりなる蛋白で、この配列中には膜貫通部、シグナル配列に相当する疎水性部分はみられず、既知の蛋白との相合性も見出されなかった。(淀井)2.様々な免疫疾患でCD23の異常発現やsCD23の上昇がみられるが、単球でのCD23発現に及ぼすIL-10の影響を検討した。単球上のCD23 type b mRNAはIL-4により誘導されたが、IL-10はこの誘導を抑制した。CD23 type aについては著名な抑制は認められなかった。(熊谷)3.培養ヒト単球から分離したFcγ RII複合体には、23kDa(α)と17kDa(β)のhrterodimerが含まれていた。N末端アミノ酸配列分析を行ったところ、それぞれのN末端アミノ酸配列はWIVLTQSPA(α),EVQLYAPGGM(β)であった。FcγRI及びIIIaは、膜貫通部位でγ鎖と会合しているのに対し、FcγRIIの同部位の相同性が低いことから、35-25PDを介してγ鎖と会合している可能性が示唆された。(桝田)4.ヒトFcγIIIBやマウスIIBlがp34cdc2とサイクリンA遺伝子産物や細胞周期調節因子を解析したところ、FcγIIIB陽性T細胞でもp34cdc2とサイクリンA遺伝子のプロモーター活性がFcγIIIA陽性T細胞と同様に抑制された。またサイクリンA遺伝子産物がFcレセプター陽性T細胞では減少していた。Fcレセプターは種類によって違った細胞増殖制御を行うことが明らかにされた。(二階堂)5.ヒト膜型μ鎖遺伝子導入マウスの脾細胞をリコンビナント可溶化CD40 ligandとIL-4で刺激すると、細胞のblast化並びに増殖が観察されたが、その程度はLPSとIL-4の刺激に比べ低かった。可溶化CD40 ligandとIL-4による刺激でγ1及びε鎖の非組み換え型定常部遺伝子転写産物の産生が誘導されたが、その量はLPSとIL-4刺激に比べ少ないようであった。いずれの刺激でもγ鎖並びにε鎖trans-mRNA産生が無刺激の状態により強力に誘導された。これらのことから、可溶化CD40 ligandの刺激からもIL-4によるアイソタイプ制御が働いていることが確認された。可溶化CD 40ligandのtrans-mRNAの産生誘導は、非組み換え定常部遺伝子転写物と異なり、LPSのそれに匹敵するかむしろ強力であった。(清水)
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[Publications] IWATA, S.: "Signal transduction via Fc receptor, involvement of tyrosine kinase and redox regulation by ADF" Adv-Exp-Med-Biol.371. 659-662 (1995)
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[Publications] Hashimoto, S.: "TNF-alfa regulates IL-4-induced Fc epsilon RII/CD23 gene expression and solble Fc epsilon RII release by human monocytes." Int-Immunol.7. 705-713 (1995)
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[Publications] Maekawa, N.: "Serum levels of solble CD23 in patients with bullous pemphigoid." J-Dermatol.22. 310-315 (1995)
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[Publications] Nunez, R.: "Indentification of novel CD23 transcripts on human T and B lymphocytes and eosinophil celline." Immunol-Letter.44. 164-174 (1995)
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[Publications] Naito, K: "Soluble from of the human high-affinity receptor for lgE inhibits recurrent allergic reaction in a novel mouse model of type I allergy." Eur-J-Immunol. 25. 1631-1637 (1995)
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[Publications] Yasuda, M: "Expression and function of fiblonectin binding integrins on rat mast cells." Int-immuno.7. 251-258 (1995)
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[Publications] 松井稔: "別冊医学のあゆみ、免疫疾患-State of Arts" 医歯薬出版株式会社, 3 (1995)
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[Publications] 松井稔: "別冊医学のあゆみ、サイトカインの最新動向" 医歯薬出版株式会社, 4 (1995)