1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06304038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Co-operative Research (A)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
栗田 孝 近畿大学, 医学部, 教授 (10088528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 明彦 大阪大学, 医学部, 教授 (20093388)
津川 龍三 金沢医科大学, 教授 (80064509)
小柴 健 北里大学, 医学部, 教授 (40050380)
東間 紘 東京女子医科大学, 教授 (90075549)
河邊 香月 東京大学, 医学部, 教授 (20124670)
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Keywords | 免疫抑制法 / 腎移植 |
Research Abstract |
申請した研究計画では、動物実験モデルでの免疫寛容の誘導、臨床的な腎移植の拒絶反応機序の解明に分けられる。動物実験モデルとしては、ラット同種心移植(BN-LEW)において、胸腺内へのdonor骨髄細胞注入と初期短期間免疫抑制(FK506)により移植心の特異的免疫寛容が得られた。この免疫寛容ラットでは、移植心へのrecipient細胞の移入、recipient各組織へのdonor細胞の移入がみられた。一方beagle犬の実験モデルでは、全身リンパ組織へのレ線照射、donor骨髄細胞の静注およびFK506投与(3カ月間)により移植腎の特異的免疫寛容が得られた。この際、免疫モニタリングで皮膚移植を試みると、皮膚移植片中のIa dendritic細胞のdonor,recipient由来細胞数の比較が、免疫不応答性や拒絶反応の予知に有効であることが判明した。腎移植の臨床に則した研究としては、この拒絶反応のモニタリング法として血清・尿中ネオプテリン、IL-8を測定し、血清ネオプリテリン、IL-8が拒絶反応中に上昇することが判明した。そしてこれらは、FK506投与による腎毒性の場合上昇せず、腎毒性と拒絶反応の鑑別に有効と考えられた。また、拒絶反応機序の解明として、腎移植患者の各種末梢血のリンパ球抗原測定、移植腎生検からのRNA抽出中での各種サイトカイン、接着分子をPCR法にて測定した。これらの解析が進行中であるが、腎尿細胞管由来の特異蛋白(PIVKA II)が拒絶反応中に尿に排泄されることが判明した。腎の保存も移植腎の生着に重要であり、病巣指向型長時間作動性のラジカルスカベンジャーSMA-SODが、阻血腎の障害軽減に有効であることが、犬実験モデルにて判明した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 高原史郎: "FK506の血中濃度モニタリング" 医学のあゆみ. 168. 222-225 (1994)
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[Publications] Kameoka H.,Takahara S.et al.: "Serum and Urinary Neopterin as Markers in Renal Transplant Patients." International Urology and Nephrology. 26. 107-115 (1994)
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[Publications] Moutabarrik A.,Nakanishi I.,Takahara S.et al.: "Interleukin-8 serum and urine concentration after kidney transplantation." Transplant international. 7. S539-S541 (1994)
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[Publications] 室崎伸和、高原史郎、小角幸人、ほか: "FK506長期使用例におけるserial biopsyによる腎毒性の検討" 腎移植血管外科. 7(in press). (1995)