1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06304054
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小宮 義璋 群馬大学, 医学系, 教授 (50010046)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 浩四郎 東京都神経科学総合研究所, 副所長 (90073064)
廣川 信隆 東京大学, 医学部, 教授 (20010085)
竹中 敏文 横浜市立大学, 医学部, 教授 (00045999)
小池 宏之 東京都神経科学総合研究所, 参事研究員 (90073072)
天野 仁一郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60076015)
|
Keywords | 軸系内輸送 / キネシン / 軸系ジフトロフィー / 運動ニューロン疾患 / β.β′-イミノジプロピオニトリル(IDPN) / 微小管 / ニューロフィラメント / 神経再生 |
Research Abstract |
本年度研究成果の概要:早い軸索内輸送のモーター分子については従来キネシンと細胞質ダイニンが同定されていたが,キネシンファミリーに属する10種類のモーター分子を新たにマウス脳のcDNAライブラリーから分離同定してその構造と機能を解析した(廣川)。また早い輸索内輸送の速度と輸送量がアセチルコリンやアドレナリン等の伝達物質により影響を受けることが新たに見出された(竹中)。これらの物質は細胞内のc-AMPの量を増減させることによって早い輸索内輸送の制御を行なっている。一方無椎髄動物アメフラシのニューロンの体積はラットのニューロンの50,000倍もあるが,神経突起の表面積は50倍にすぎないことが判明した(小池)。またラットの開口筋と閉口筋とを支配しているニューロンはアセチルコリンエステラーゼ合成能が前者の方が有意に高いとか(天野),ラットとサルでは延髄薄束核軸索ジフトロフィーの形態が明らかに異なる(藤澤)などニューロンでの種類や動物種による特異性のあることが新たに見出された。病的材料を用いた実験では,まず運動ニューロン疾患の脊髄スフェロイドに細胞質ダイニングが蓄積しており,キネシシの結果と合わせると早い軸索内輸送の障害が示唆される(豊島)。また種々の疾患時におけるヒト生検腓腹神経軸索内の微小管は変性にともなって安定型の低下が認められ(岡),移植した神経でも輸索内輸送の変化によると思われる形態的な特徴が見出された(光嶋)。更にβ,β′-イミノジプロピオニトリル(IDPN)を用いた運動疾患モデル動物による実験からこれ迄いわれていたのとは異なる投与初期相におけるニューロフィラメント蛋白の燐酸化パターンを見出した(小宮)。これらの結果については平成6年11月19〜20日に草津セミナーハウスで開催された班会議の席上で発表され,活発な討論が行なわれた。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Oka N. et al.: "Microtubules stability in human peripheral nerves." Neuroscience Letters. 168. 61-64 (1994)
-
[Publications] Koshima I.et al.: "Free rectus femoris muscle transfer for one-stage reconstruction of established facial Paralysis." Plast.Reconstr.Surg.94. 421-430 (1994)
-
[Publications] Koike H.et al.: "Three dimensional structures of neurons." Basic Neuroscience in invertebrtes. (in Press). (1995)
-
[Publications] Takenaka T.et al.: "Effect of Neurotransmiters on axoplasmic transport:how.adrenaline affects superior cervical ganfgion cells." Brain Res.643. 81-85 (1994)
-
[Publications] Hirokawa N.: "Microtubule organization and dynamics dependent on microtubuleassociated proteins." Current Opinion in Cell Biology. 6. 74-82 (1994)
-
[Publications] Tashiro T.et al.: "Early effects of β.β′-iminodiproplonitrile on tubilin solubility and neurofilament phosphorylation in the axon." Journal of Neurochemistry. 63. 291-300 (1994)
-
[Publications] Komiya Y.et al.(翻訳): "スミス分子神経生物学" オーム社, 464 (1994)