1994 Fiscal Year Annual Research Report
東地中海沿岸諸都市の文明・文化-その歴史と現在-総合研究
Project/Area Number |
06351001
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻 成史 大阪大学, 文学部, 教授 (90127259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 日出男 大阪大学, 経済学部, 教授 (00252560)
紙野 柱人 大阪大学, 工学部, 教授 (30028998)
青木 保 大阪大学, 人文科学部, 教授 (80062636)
都出 比呂志 大阪大学, 文学部, 教授 (90025065)
合阪 学 大阪大学, 文学部, 教授 (50027976)
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Keywords | 東地中海 / イスラム国家 / 近代化 / 都市遺跡 / 都市空間 / 観光 / 文化財保護 / ビザンツ史 |
Research Abstract |
本年度の研究活動は、当初の計画通り五つの専門分野に分かれ、平行して実践されたが、まずもって、東地中海諸都市の文明・文化研究を、如何にして国際共同研究として実現するかが共通の課題として要請された。すなわち第一に、現在もっとも解決を急がれている課題は何であるか、第二に、どのようなパートナーシップを組むことが適切であるか、が共通の課題として議論された。 1。第5の経済学部門を別にすれば、歴史部門にもっとも大きな困難が生じたことは予想外であった。一般に今日の日本における西洋古代・中世史研究は、個々の研究者が、単独で個別の問題に取り組むことが多く、本研究計画においても、分担者がこれまで行ってきた研究はいずれも地中海世界を対象としながら、まったく異なる視点に立つものであった。オロントス流域のアンテイオキア市が一度は共通研究課題として挙げられたが、研究の範囲、方法等について遂に一致を見ることがなかったのは残念であった。また、今後の計画に地中海の近代史研究を加えることの必要性が痛感された。 2。これに対し、都市空間学部門は、もっとも積極的、具体的に計画を展開し、またシリアのダマスクス市より研究者を招へいし、一連の研究集会を実現した。その成果は現在編集中の欧文報告書に収録される予定である。 3。ついで盛んに交流計画の発端を開く努力を重ねたのは文化人類学部門であった。代表者の青木と分担者の岡本は、ハーバード大のヤルマン教授とともにイスタンブルのボスフォラス大学を訪問し、今後の共同研究の可能性を譲した。 4。美術考古学部門は、従来の海外学術調査を継続するとともに、現地において、ム-ラ大学、ムラ-ラ県庁、県知事を交えて文化財保護に関する共同研究のための第一回国際集会を開催し、トルコ共和国では全国的にこれを話題として取り上げた。 5。経済学部門では、分担者があいにく海外滞在期間が長く、充分なコンタクトを取ることができなかった。今後はむしろ相手国側研究者を主体として研究を進めることが望ましいように思われる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 浅野 和生: "ゲミレル島、カラジャエレン島(トルコ、リキア地方)の聖堂建築及び聖堂装飾の研究" 鹿島美術財団年報. 8. 264-271 (1990)
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[Publications] 勝又俊雄: "リキ-ア沿岸のビザンツ時代遺跡の第二次調査" 地中海学会会報. 155. 6- (1992)
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[Publications] 益田 朋幸: "聖ニコラオスたちの島" 地中海学研究(地中海学会). 17. 19-40 (1994)
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[Publications] 浅野 和生: "Survey of the Byzantine Sites on Lycian Coast" X.Arasturma Souyclar Toplantlsl(1992). 7-17 (1993)
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[Publications] 辻 成史(編): "The Survey of Early Byzantine Sites in OLudeniz Area(Lycia,Turkey)(大阪大学文学部紀要 35)" 大阪大学, 168 (1995)