1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06352033
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土肥 健純 東京大学, 工学部, 教授 (40130299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 隆之 国立循環器病センター, 実験治療開発部, 部長 (00075764)
太田 裕治 東洋大学, 工学部, 助教授 (50203807)
斉藤 正男 東京電機大学, 理工学部, 教授 (60010708)
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Keywords | 医療ロボット / 福祉ロボット / 高齢社会 / 体系化 / 安全性 |
Research Abstract |
本研究では、医療・福祉分野でのロボットの研究開発に関し、各関連学会における本分野の研究者により医療福祉ロボットの定義・分類、安全性設計等について議論を進め、国内における研究を促進させるとともに、我が国の研究成果を国際的に広めていくことを目的として、以下を行った。 (1)各関連学会での医療・福祉ロボットに関する研究報告から我が国における本分野の研究開発現状を調査した結果、これまでは医療や福祉の現場で生じたニーズに対応して個別に研究開発が行われてきており、体系化は成されていないことが明らかとなった。特に福祉ロボットについては設計開発の理念も定まっておらず、実用化・普及に結びつく研究はわずかであった。 (2)上記調査結果及び「メディカル・ヒューマンケアロボティクス連合研究会」の協力により、特に福祉ロボットの設計開発の理念の確立が現状での最重要課題であることが明らかとなった。具体的テーマとしては、安全性、ユーザ・インターフェイス、ユーザへの個別対応と大量生産の両立などが挙げられた。 (3)海外における研究開発現状として、「第4回リハビリテーションロボティクス国際会議」、「第1回医用ロボットと計算機支援外科手術に関する国際会議」などにおける発表・討論内容について情報を収集・調査した結果、国際的にも医療・福祉ロボットは新しい研究テーマであり、その設計開発理念の確立が現在注目を集めているテーマとなっていることが明らかにされた。 (4)以上に基づき、福祉ロボットに重点をおいて研究を行った結果、対象となる日常生活動作において「ユーザが実行可能な能力レベル」と「環境の要求する能力レベル」に差がある場合に福祉ロボットが有効に用いられるため、この2つのパラメータによる体系化が有効であった。さらに安全性については、必要な細目を列挙し安全規格としてまとめることが必要であることが明らかとなった。
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