1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06353018
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
茅 幸二 慶應大学, 理工学部, 教授 (10004425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 信之 九州大学, 理学部, 教授 (60013538)
土屋 荘次 日本女子大学, 理学部, 教授 (40012322)
梶本 興亜 京都大学, 理学部, 教授 (30029483)
三上 直彦 東北大学, 理学部, 教授 (70004447)
池田 研介 立命館大学, 理工学部, 教授 (40151287)
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Keywords | クラスター / 少数多体系 / 非線形動力学 / カオス / ゆらぎ / 表面反応 / 液体構造 |
Research Abstract |
本研究班は、平成7年度-9年度の3年間に実施予定の重点領域研究「少数多体系の化学」に関し、その計画班員が、研究の現状、そして今後の計画について討論し、重点領域計画が円滑に進行するために実施されたものである。 本研究計画は、クラスターという有限個の原子・分子の集団に特有な性質を、物理化学の実験家と、非線形動力学の物理の理論家とが共同して解明していこうとするものである。本申請で具体的に取り組むテーマとして「少数多体系としてのクラスターの動力学」、液相におけるクラスター構造、「表面とクラスターの特異的相互作用」の3つを取り上げた。本総合研究(B)において、研究代表者(茅)および、分担者の大部分(21名)が参加して研究会が本年1月熱海において開催され、その他、今後の共同研究の打ち合せが数度おこなわれた。特に、本年1月の研究会では、理論家と実験家が、相互の理解を得るために、徹底した議論が交され、実りあるものであった。 保田(阪大)は、あるサイズまでの金属クラスターが、外側からの異種原子による合金化を異常に迅速に受ける「自発的合金化」を観測し、理論家の強い関心を引いた。池田(立命館大)は非線形理論とクラスターとの関連について説明し、実験家のこの方面への関心を強めた。西川(横国大)は、液体の超臨界点付近のx線小角散乱から、液体・気体相平衡線の臨界点を越えた延長線上にクラスター化しやすい領域がある事を見つけ、今後理論・実験の両面からの進展がのぞまれる事を示唆した。近藤(東大)は、分子クラスターイオンと固体表面との衝突反応で、衝突エネルギーによって反応過程に特異的がある事を報告し、動力学の理論・実験家の注目するところとなっている。このように、今後の本研究計画の推進によって、クラスターならではの新しい物理・化学の境界領域研究が進展するものと結論できる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K.Kaya: "Photoelectron Spectroscopy of Binary Cluster Anions" Surface Review and Letters in press.
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[Publications] K.Nishikawa: "X-ray Scattering Study of Carbon Dioxide at Supercritical State." Chem.Phys.Lett.226. 359-363 (1994)
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[Publications] M.Kira: "Trialkyltin Cation in Solution." Organomet.Chem.471. C4-C5 (1994)
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[Publications] S.Sawada: "Mechanisms of Visible Photoluminescence in Porous Silicon." Phy.Rev.B. 49. 5236-5245 (1994)
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[Publications] H.Yasuda: "Cluster-Size Dependence of Spontaneous Alloying Behavior in Gold Clusters." Zeitschrift Fur Physik D. 31. 131-134 (1994)
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[Publications] K.Ohashi: "Photodissociation Spectroscopy of (C_6H'_6)_2^+." Laser Chem.14. 3-14 (1994)
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[Publications] 里子允敏: "「密度汎関数法とその応用:分子、クラスターの電子状態」" 講談社, 300 (1994)