1994 Fiscal Year Annual Research Report
「立体街路」の計画手法に関する研究-住棟内共用空間における行動と空間評価-
Project/Area Number |
06401016
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高田 光雄 京都大学, 工学部, 助教授 (30127097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛谷村 英治 京都大学, 工学部, 助手 (60243060)
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Keywords | 立体街路 / アクティビティ / シークエンス / 利用経路 |
Research Abstract |
立体街区の計画手法を研究するにあたり、立体街路における人間の行動等を把握するため、前年度は集合住宅地の外部空間における意識行動の調査を行ったが、今年度は実験集合住宅NEXT21(1993年9月竣工、1994年4月入居、16戸)の住棟内共用空間において調査を行った。この集合住宅の特徴は、立体街路を導入した事例であり、公共性・開放性・回遊性・連続性・選択性等の条件を考慮して計画されたものである。この集合住宅で利用実態調査する住居者を対象に、住棟内共用空間に対する意識、及び快適性や使い勝手に対する評価をアンケート調査し、集合住宅の空間構成とアクティビティ及び意識の関係を明らかにした。具体的には、下記の3つの調査を実施した。 (1)視覚特性調査 この調査では、カメラを用いて立体街路の動線上の画像を記録し、コンピューターにより各視覚的要素ごとの面積比率を算出した。このデータをもとに、立体街路の視覚的要素の連続的変化(シークエンス)を把握した。 (2)アンケート調査 アンケート調査は、16戸の各住戸の主婦又は世帯主を対象に留置自記法により行った。アンケートの内容に関しては、住戸外である立体街路空間に関する利用・意識・行動に関する質問である。特に調査票で質問した七つの行為を因子分析にかけ考察すると立体街路上の各地点が8つのグループに分類された。必要活動・任意活動・社会活動が行われる場所が空間構成上の特徴とかなり関連性があることがわかった。 (3)ビデオ観察調査 立体街路上の利用実態を把握するためタイムラプスビデオを用いた観察調査を行っている。今回の調査は、11月22日、23日の2日間に録画を行った。あいにく季節的な影響もあり、活動の量的な分析に耐えるデータは得られなかったが、居住者の利用経路や散歩、遊び等の行動と利用空間の特徴的な例がみられ、意識を裏付ける利用行動の質的な分析を行うことができた。
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