1996 Fiscal Year Annual Research Report
ユーラシアにおける都市囲郭の成立と系譜に関する比較地誌学的研究
Project/Area Number |
06401017
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
戸祭 由美夫 奈良女子大学, 文学部, 教授 (60032322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 静代 奈良女子大学, 文学部, 助手 (80273829)
小方 登 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (30160740)
野間 晴雄 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (00131607)
出田 和久 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (40128335)
相馬 秀廣 奈良女子大学, 文学部, 教授 (90196999)
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Keywords | 都市囲郭 / ユーラシア / 比較地誌 / 歴史的都市 / 衛星画像 / トルファン盆地 / 城下町プラン / グスク |
Research Abstract |
本年度は、上記の研究代表者・分担者のほか、高田将志・山近久美子を加えた共同研究メンバーによって、以下のような調査研究を実施した。 1.南西諸島について、前年度に引き続きグスク及びその関連する集落について共同現地調査を行った。 2.国内の囲郭都市に関する図書・地形図・空中写真、東アジアの囲郭都市の立地を検討するための衛星画像、ベネルクス諸国に関する16世紀作成の古い地形図等を購入し、それぞれ担当者が分析中である。 3.また、各分担者がその担当に関して個別に進めた研究の一部を紹介すれば、次のような状況である。 (1)戸祭は、西欧型の囲郭集落の数少ない例である北海道五稜郭・千葉県松尾城・長野県竜岡城についてその規模・立地を比較する一方、ベルギー及びオランダの囲郭集落の分布と現代的変容について、研究を深化させた。 (2)相馬は、トルファン盆地における囲郭都市の立地条件を検討し、タリム盆地に典型的に発達した山麓扇状地に分布するものと、断層地塊の上流側麓の段丘地域に分布するものとに区別できることを指摘した。 (3)野間は、ブ-タンのゾン(城郭)について、その立地と機能を分析し、統治拠点のみならず宗教的拠点としても重要な役割を果していたことを明らかにした。 (4)佐野は、日本の囲郭都市の特徴である水系による囲郭に関して、デルタ地域、特に琵琶湖岸における内湖地形の城下町プランへの利用とその水運上の機能を明らかにした。 4.以上のような研究成果は、「奈良女子大学地理学研究報告VI」「奈良女子大学文学部研究年報40」「奈良女子大学人間文化研究科年報13」に印刷中である(年度内刊行予定)。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 戸祭由美夫: "オランダの囲郭都市プランとその変容に関する予察(前篇)" 奈良女子大学人間文化研究科年報. 13(印刷中). (1997)
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[Publications] 相馬秀廣ほか4名: "衛星画像からみたトルファン盆地" 沙漠研究. 6-2(印刷中). (1997)
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[Publications] 野間晴雄: "ゾン(Dzong)考" 奈良女子大学文学研究年報. 40(印刷中). (1996)
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[Publications] 佐野静代: "琵琶湖岸内湖の歴史的利用形態に関する一考察" 奈良女子大学地理学研究報告. 6(印刷中). (1996)