1995 Fiscal Year Annual Research Report
「外国語としての日本語」教育システム確立のための基礎的研究
Project/Area Number |
06401020
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山中 桂一 東京大学, 教養学部, 教授 (20056055)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 玲 東京大学, 教養学部, 助教授 (50199189)
幸田 薫 東京大学, 教養学部, 教授 (30126776)
エリス 俊子 東京大学, 教養学部, 助教授 (90242031)
坂原 茂 東京大学, 教養学部, 教授 (40153902)
新田 春夫 東京大学, 教養学部, 教授 (00012443)
|
Keywords | 日本語教育 / 場所理論 / 結合価 / コロケーション / ヴァレンツ / 日本語学習 / レクシコロジー / 動詞活用辞典 |
Research Abstract |
昨年度購入の日本語読取機(東芝 OCR:ER70J)および周辺機器を稼働することにより、現代日本の文学作品(吉本ばなな、村上春樹、遠藤周作、司馬遼太郎など)を電子化し、データベースを作成するという作業は着々と進行している。またこれを用いて、辞書編集の基礎となる日本語動詞結合価表(試作品は昨年度完成)の有効性の確認作業が行われ、その結果の分析が現在進められている。 研究面としては、本研究で打ち出された「半・場所理論」がさまざまな日本語の文法理論に比して、日本語シンタクスをきわめて的確・簡潔に捉えうるものであることが検証された。また併せて、この理論が初学者の頭に入りやすい小数個の基本文型を設定することを可能にするばかりでなく、助詞の意味理解、省略、使い分け等にもきわめて明解な説明を与えることができることも確認された。さらに昨年度の研究成果を受けて、用言の格支配に基づく基本文型の設定、随意要素と用言とのコロケーション、および語義の表記という、文法からレクシコロジーに至る作業を一貫した視点から行うことにより、このような視点が日本語教育の分野の体系化に資すること大であることが確認された。本研究が究極的目的として掲げている「外国人のための日本語教育」においては、「日本語辞書」は重要なファクターとなるが、本年度確認された上記の知見により、きわめて斬新な視点からそのような辞書を編集することが可能となるであろう。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 山中桂一: "連想の詩学" Language Information Text. 3. (1996)
-
[Publications] 山中桂一: "ヤコブソンの言語科学2-かたちと意味" 勁草書房, 273 (1995)