1994 Fiscal Year Annual Research Report
フォノンの選択励起による水素モードダイナミクスの解明と相転移機構の解明
Project/Area Number |
06402009
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
八木 駿郎 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (30002132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 雅史 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80239912)
笠原 勝 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (30001697)
辻見 裕史 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (20113673)
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Keywords | 相転移 / ISBS / 誘導光散乱 / 選択励起 / フォノン励起 / ソフトモード |
Research Abstract |
平成6年度では実験システムの構築とシステムの基本的特性のチェックを行った。システムの設計は概ね計画どおりに進行し、現在構築された実験システムでは、本科学研究費により購入されたNd:YLFレーザーからの時間幅約60-100psのモードロックQスイッチ光パルス列から、任意の数のパルスを抜き出し2経路に分けて試料中で交差させ、干渉した電場でコヒーレントなフォノンを発生させることに成功した。フォノンを任意の振幅強度で選択励起するため、励起されたフォノンの振動周期と励起光の繰り返し周期を調節し、共鳴的にフォノンの振幅を増大させる、あるいは相互の位相をずらすことで減衰させることにも成功した。このように特定のフォノンモードが選択的に励起されたあとその緩和過程を見るために、水冷アルゴンレーザーからのcwプローブ光のブラッグ回折を用いている。 現在完成した実験システムの特性(時間分解能、S/N比など)をチェックするためにcw回折光の強度の時間変化を光学遅延させたパルスプローブ光により測定し、両者の結果をコヒーレントフォノンの振動数や減衰定数において比較した。 すでに強弾性体結晶、強誘電体結晶あるいは液体などの試料を用いて、回折効率、フォノン振動の時間特性、熱グレーティングの効果(これは目的としている干渉した電場によるものではなくて、光パルスのエネルギーを熱として吸収することによって発生する励起状態の空間分布)、光弾性効果などの基礎データを収集し、来年度以降の本格測定の基礎を確立することに成功している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Yoshida: "Brillouin scattering studies of the antiferrodiseortive phase …" J.Phys.Soc.Jpn.64. 5-8 (1995)
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[Publications] M.Takesada: "Relation between α and β phases in the reconstructive phase …" J.Phys.Soc.Jpn.63. 4282-4285 (1994)
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[Publications] 八木駿郎: "光散乱実験用の除塵単結晶の作成" 個体物理. 29. 44-47 (1994)
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[Publications] Y.Tsujimi: "The 90゚ Brillouin scattering in Tricrinic β-BiN_6O_4 …" J.Korean Phys.Soc.27. 92-95 (1994)
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[Publications] T.Yagi: "Low-frequency light scattering study on structural phase …" J.Korean Phys.Soc.27. 138-143 (1994)
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[Publications] S.Kinoshita: "Extremely early stage of ferroelastic domain formation …" Phys.Rev.B. 50. 5834-5837 (1994)