1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06402011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
家 泰弘 東京大学, 物性研究所, 教授 (30125984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小黒 勇 東京大学, 物性研究所, 助手 (80169268)
遠藤 彰 東京大学, 物性研究所, 助手 (20260515)
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Keywords | 半導体ヘテロ構造 / GaAs / AlGaAs / 磁気抵抗 / ワイス振動 / グラファイト |
Research Abstract |
本研究では伝導電子系に与えられた自然あるいは人工の変調構造と磁場が持ち来たらす長さのスケールとの整合関係によって生ずる振動的輸送現象などを調べている.このような研究には高品質(高移動度)の伝導電子系が必須の条件であることから,分子線エピタキシ-法によるGaAs/AlGaAsのヘテロ接合2次元電子系試料の作製に努力を傾注し,4.2Kにおける移動度が3×10^6cm^2/Vsを超える試料を得ることができた。これを用いて,微細構造をもつ磁性体ゲームを付けた試料を作製し,2次元電子が見る局所的磁場の変調効果を調べた.一般に,歪みポテンシャルによる効果と磁場変調の効果とが共存して見られるが,強磁性体としてGdを用いた試料ではそれが単純な理論では説明できないふるまいを示すことが見いだされ,その原因究明を行っている. 一方,グラファイトに20T以上の強磁場をかけた時に低温で起こる電子相転移について,非線形伝導現象を調べた.従来,層面内の伝導において非線形伝導が見られていたが今回新たにc軸伝導についても観測され,これはこの現象が磁場誘起電荷密度波転移であるという理論モデルを支持するものである. このほか,強磁性体と超伝導体の微小接合試料における伝導を調べた.低温における電流電圧特性に異常が見られ,強磁性体を通して超伝導電流がわずかに流れている可能性が検討された.
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