1996 Fiscal Year Annual Research Report
水素終端シリコン表面における低温ヘテロエピタキシ-
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06402025
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾浦 憲治郎 大阪大学, 工学部, 教授 (60029288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綿森 道夫 大阪大学, 工学部, 助手 (80222412)
上田 一之 豊田工業大学, 工学部, 教授 (60029212)
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Keywords | 表面水素 / イオンビーム / STM / エピタキシ- / 金属 / シリコン界面 |
Research Abstract |
我々は、既に平成6年度より実施した同科学研究費補助金基盤研究(A)(2)で、水素で終端されたシリコン表面上では金属薄膜のエピタキシ-が大きく影響され、しかもこれは可逆的に金属薄膜中に水素を吸着した場合も同様な現象を示すことを、AgやAu等の金属薄膜について報告してきたが、本年度は最終年度として、この現象が下地シリコン基板に与える影響について、In薄膜を用いて、総括的に調べた。 In薄膜は作成時の基板温度と被覆原子数によって各種の異なった構造をとり、その際下地シリコンとの界面において再構成するシリコン原子の数が0ML,1ML,2MLと段階的に異なるので、水素終端効果を調べるのに適している。結果は以下の通りとなった。 (1)In薄膜は水素終端シリコン表面において、直接シリコン表面上に成長させた場合と異なったクラスター構造をとり、このことは直接シリコン表面上にIn薄膜を成長させ、後で水素吸着させた場合と同様な結果となり、水素がヘテロエピタキシ-を制御していることがわかった。 (2)In薄膜形成の際、In薄膜の構造によってシリコン界面で再構成するシリコン原子の数が異なる現象を利用して、水素によるクラスター促進によって生じる露出したシリコン表面の構造を調べ、それぞれの特徴を明らかにした。これは、他の金属薄膜のエピタキシ-制御についても成立し、水素の働きを解明する鍵となるものである。 以上のような結果から、本年度の研究計画を完全に達成したと考える。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Oura 他4名: "Atomic-hydrogen-induced Ag cluster foumation on Si(111)-√<3>×√<3>-Ag surface obserrved by scanning tunneline microscopy." J.Vac.Sci.Technol.B14. 988-991 (1996)
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[Publications] K.Oura 他4名: "Thin-film growth-mode analysis by low energy ion scattering" Surf.Sci.363. 161-165 (1996)
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[Publications] K.Oura 他3名: "Observation of the diffusion of Ag atoms through an a-Si layer on Si(111)by low energy ion scattering" Surf.Sci.363. 156-160 (1996)
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[Publications] K.Ueda 他1名: "Surfactant effect of hydrogen for nickel growth on Si(111)7×7 surface" Surf.Sci.357/358. 910-916 (1996)
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[Publications] K.Ueda: "Electron-stimulated desorption study of an atomic bydrogen-adsorbed Fz-Si(100)surface" Surf.Sci.363. 337-341 (1996)
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[Publications] M.Watamori 他3名: "A New method to dlfect native oxide on Si with combined use of ^<16>O(α,α)^<16>O Resonance and channeling" Appl.Surf.Sci.(印刷中). (1997)