1995 Fiscal Year Annual Research Report
非樹脂基先進複合材料の創成と界面特性を考慮した計算機援用材料設計システムの構築
Project/Area Number |
06402030
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
井上 達雄 京都大学, 工学研究科, 教授 (10025950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星出 敏彦 京都大学, 工学研究科, 助教授 (80135623)
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Keywords | 金属基複合材料 / セラミックス被覆材 / 材料設計 / 有限要素法 / 分子動力学法 / 内部応力 / 超微小硬度 / 曲げ強度 |
Research Abstract |
まず,試作した遠心鋳造装置を用いることによって,SiC粒子を強化材,Al合金を母材とする粒子分散型金属基複合材料を創成し,遠心鋳造時の鋳造条件が遠心力方向の強化材分布特性に及ぼす影響について明らかにした.また,本年度購入した卓上型精密万能試験機を用いて,創成した材料の引張試験を行うことにより強化材分布や鋳造時に受ける遠心力が創成されたMMCの力学的特性に及ぼす影響についても明らかにした.さらに,このような遠心鋳造過程を解析できる有限要素コードを構築した.この解析手法を用いて,鋳造条件から遠心力方向の強化材分布および鋳造後の残留応力を解析し,その解析結果の妥当性を実験結果との対応に基づいて検証した. また,SiC/SiC長繊維強化複合材料に着目し,その基礎強度特性を実験的に評価するとともに,その結果に基づいて繊維-母材界面の特性について考察した.まず,荷重負荷方向に対する繊維積層方向による強度特性による相違を明らかにし,繊維積層面と母材との結合状態による差が現れることを示した.さらに,繊維にカーボンコーティングが施されている材料では界面特性が改善されて,強度が向上することが判明した. さらに,基板材をホウケイ酸ガラス,ターゲット材をアルミナおよび炭化ケイ素とするセラミック被覆材料を高周波マグネトロンスパッタリング法により創成するとともに,その機械的特性を実験的に評価した.特に低い高周波電源出力で成膜した被覆材については,その曲げ強度が低下し,基板および被覆材の界面近傍に欠陥が認められた.このような実験結果に基づいて,界面特性の改善には成膜条件の選定に注意する必要があることを指摘した.上述のスパッタリング過程で形成される薄膜構造の解析を行う手法として,剛体球モデルによる3次元薄膜形成解析コードを構築した.本解析モデルにより実験結果の定性的傾向を説明できた.
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