1994 Fiscal Year Annual Research Report
微視破壊過程の三次元制御に基づく耐熱高靭性セラミックス複合材料の開発
Project/Area Number |
06402049
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岸 輝雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40011085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎 学 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (70201960)
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Keywords | セラミックス / 破壊靭性 / ナノコンポジット / ハイブリッド複合材料 / 高温 / 微視破壊 |
Research Abstract |
ナノ粒子による強度上昇には見るべきものが多いが、これだけでは破壊靭性の大きな上昇が望めない。繊維状、針状組織での靭性向上、また、分散粒子やプレートレット添加による靭性向上は不均一なき裂偏向によるものと言え、マイクロクラックが生じると靭性向上が見られる場合も多い。本研究では、ナノ及び、ハイブリッド複合材料を作製し、破壊過程の三次元解析を行い、靭性上昇機構を定量的に分類し、かつ寄与成分を定量的に評価し、微視破壊を制御した(フェイルセーフに基づいた)高靭性セラミックス基複合材料を開発することを目的とする。材料としてはSiCナノ粒子分散Al_2O_3基複合材料、針状LaAl_<11>O_<19>析出SiCナノ粒子分散Al_2O_3基複合材料などを用いて、対象温度は2000℃までを考えた。まず、アトライター、CIP、既存のホットプレスを用いて、セラミックス粒子を複合したナノコンポジット複合材料及び、針状LaAl_<11>O_<19>析出複合材料を試作した。次に、得られたハイブリッド複合材料についてX線による相分析及び、力学的特性評価を行ったところ、針状LaAl_<11>O_<19>により破壊靭性が上昇していることが明らかとなった。そして、SEM、TEMによる観察、AE、超音波による非破壊評価により、その微視破壊機構の解明を試みた。また、ワークステーションを用いてFEMによる熱膨張係数、弾性率のミスマッチにより発生する内部応力の解析を行い、き裂進展との関係を明らかにした。そして、これらの結果を用いて、ナノ及び、ハイブリッド複合材料の靭性向上機構を分類し、高靭性のハイブリッド複合材料設計の最適化を行い、最終的には、これらの結果に基づき、高強度、高靭性のハイブリッド複合材料を開発し、またその破壊メカニズムの解明および破壊モデルを確立することを目指した。
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[Publications] M.Enoki: "Stochasic Microfracture Process of Ceramics" Materials Science and Engineering. A176. 289-293 (1994)
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[Publications] B.K.Jang: "Fabrication and Microstracture of Al_2O_3-SiC-YAG Hybrid Composites Prepared by Particulate Dispersion" The Journal of the American Ceramic Society. 76. 1375-1376 (1994)
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[Publications] 志波光晴: "アコースティック・エミッションの放射形式計測によるアングルプライCFRP積層板の微視割れモード評価" 日本複合材料学会誌. 20. 99-107 (1994)
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[Publications] 張 炳國: "ナノSiC粒子分散によるAl_2O_3セラミックスの微細組織の制御" 日本セラミックス協会学術論文誌. 102. 863-867 (1994)
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[Publications] 金 炳男: "Al_2O_3多結晶体におけるき裂偏向破壊挙動の解析" 日本金属学会誌. 58. 1256-1262 (1994)
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[Publications] 津田 浩: "SiC繊維強化ガラスの破壊過程の解析" 日本金属学会誌. 58. 1393-1400 (1994)