1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06402054
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 洋治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00010695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 正二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60219277)
小村 隆士 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10010894)
山口 一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20166622)
宮田 秀明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70111474)
藤野 正隆 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10010787)
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Keywords | キャビテーション / 粘性 / 温度 / 蒸発 / 熱・物質移動 / クラウド / リエントラント・ジェット / バースト |
Research Abstract |
この研究は、現象の素過程を理解して、キャビテーションの全体像を理解しようとして行われた。特にキャビテーションの挙動と粘性流場のかかわり合い、キャビティ界面での蒸発とキャビティ内部での流動に焦点をあて、研究を行った。 キャビテーションを発生した2次元翼まわりの流場観察と計測を行い下記の結論を得た。 1.キャビティの形状・特性は、キャビティ前縁での剥離した境界層が再附着する条件を満たすか(non-burst)、満たさないか(burst)によって大きく異なる。 2.従って翼形にシート・キャビティが発生する流場をモデル化するには、まず剥離後の境界層特性を調べ、non-burst,burstに応じて異なったモデルを採用する必要がある。 3.シート・キャビティ後端で発生したReentrant jetがシート・キャビティ前縁附近に達した時、シート・キャビティがそこで切れ、クラウド・キャビテーションが発生する。 4.従って翼面上の適当な位置にReentrant jetの逆流を防ぐ障害物を流れに直角におけば、クラウド・キャビテーションの発生は大巾に抑制される。 キャビティの崩壊する量を知ることは騒音、壊食を定量的に推定することの基礎となる。またキャビティ界面での熱・物質移動は自由界面における現象としても興味深いものであり、その機構を知ることは現象の基本的な理解につながる。そこで140degCまでの高温水でキャビテーションを観察し、同時にキャビティ内の温度低下を計測した。 1.キャビティ内の温度低下量はキャビティ前縁付近が大きく、主流温度140degC、流速14m/sのスーパーキャビテーション状態で1.4degC程度であった。 2.上流にstimulatorをつけ、人工的に境界層を厚くしてやると温度低下量が増加する。 3.著者が以前提案したZファクターを用いると計測結果をよく整理できる。
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[Publications] 川並康剛、加藤洋治、山口 一: "2次元のシート・キャビテーションのまわりの流場構造" 日本造船学会論文集. Vol.177. 67-80 (1995)
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[Publications] Y.Kawanami,H.Kato,H.Yamaguchi: "Mechanism and Control of Cloud Cavitation" Journal of Fluids Engineering,ASME. (1997)
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[Publications] H.Kato,H.Kayano,Y.Kageyama: "A Consideration of Thermal Effect on Cavitation Bubble Growth" Gavitation and Multiphase Flow,ASME. FED-194. 7-14 (1994)
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[Publications] H.Yamaguchi,H.Kato,N.Takasugi: "Study of Cavitation on a Finite Span Foil with Sweptback Plan-form" International Symposium on Cavitation,Deauville,France. 367-372 (1995)
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[Publications] 鴨野博道、加藤洋治、山口 一: "熱力学的気泡2相流としてのキャビテーションのモデル化" 日本機械学会・第73回全国大会講演論文集. Vol.III. 152-153 (1995)
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[Publications] 前田正二、鴨野博道、加藤洋治: "高温キャビテーションタンネルにおけるキャビティ内温度測定" 日本学術会議・第8回キャビテーションに関するシンポジウム論文集. 133-136 (1995)
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[Publications] H.Kato,M.Maeda,H.Kamono: "Temperature Depression in Cavity" Fluids Engineering Division Conference,ASME. FED-236. 407-413 (1996)
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[Publications] H.Kato: "Advances in Marine Hydrodynamics,Chapter 5 Cavitation" M.Ohkusu,Computational Mechanics Publications,Southampton,U.K., 45 (1996)