1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06403010
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤澤 清史 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (10251670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸岡 良彦 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (70016731)
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Keywords | 銅錯体 / チオラート / クラスター / 生物無機化学 / メタロチオネイン / モデル錯体 |
Research Abstract |
メタロチオネインは低分子量で異常に多くのシステインを含むタンパク質で、種々の金属イオンを取り込み複雑なクラスターを生成することが知られている。本研究は、生理学的に重要な銅結合メタロチオネイン及びその類縁体である銀、金置換体のクラスター構造の解明を最終的な目的としている。 1.構造モデルとなる新規2配位銅チオラート錯体[Cu(SAd)_2]^-、[Cu(SCPh_3)_2]^-および銀置換体[Ag(SAd)_2]^-、[Ag(SCPh_3)_2]^-の構造をX線解析により明らかにした。また、2配位、3配位を含むクラスターの構造[Cu_5(SAd)_6]^-、[Ag_5(StBu)_6]^-も明らかにした。得られたM(Cu,Ag)-S結合距離は2配位の方が3配位に比べ約0.1Å短いことが明らかになった。 2.赤パンカビのメタロチオネインの単離・精製法の検討を行った。 3.チオラート錯体をプローブとして実際のメタロチオネインの配位構造の同定に有効な分光学的方法の検討を行った。用いた方法はスタンフォード大学のX線吸収スペクトル(XANES,EXAFS)、吸収スペクトル、化学発光スペクトル、共鳴ラマンスペクトル、^<63>Cu-NMRである。XANESでは2配位錯体において8984eVに強いピークが観測された。現在3配位錯体に関して測定中である。EXAFSの方も2配位錯体のみであるが、多重散乱の項も入れて検討しなくては成らないことが明らかになった。吸収スペクトルに関しては2配位はMLCTが220〜250nmであるのに対し、3配位では約280nmに長波長シフトしていた。化学発光スペクトルでは配位モードの違いを観測できなかった。共鳴ラマンスペクトルでは348cm^<-1>に2配位の、276、310cm^<-1>に3配位のCu-S伸縮振動に由来するラマン線が観測された。^<63>Cu-NMRに関しては、完全な帰属には至っていない。上記のように、銅1価チオラートクラスターに関する数多くの知見を得ることができた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Fujisawa,Y.Moro-oka,N,Kitajima: "Formation of a μ-η^<22>η^2-Disulfide Denuclear Copper(II) Complex by Thermal Decomposition of a throlate Complex oia C-S Bund Cleavage" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.623-624 (1994)
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[Publications] Di Qiu,N.Kitajima,T.G.Spiro: "Modeling Blue Cupper Protein Resonance Raman Spectra with Thiolate-Cu^<II> Conplexes of a Sterically Hindered Tris (pyrazolyl)borate" J.Am.Chem.Soc.116. 2585-2590 (1994)