1996 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスのエスケープ変異株と細胞表面HLA内ペプタイド分析による肝障害機序の解明
Project/Area Number |
06404029
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小俣 政男 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (90125914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 直也 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
松村 雅幸 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
白鳥 康史 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (70196624)
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Keywords | B型肝炎 / 細胞障害性T細胞(CTL) / Core / エピトープ / T細胞受容体(TCR) / レパートリー |
Research Abstract |
B型肝炎において細胞障害性T細胞(CTL)の標的となるようなB型肝炎ウイルス(HBV)由来のpeptideを同定するため,まずHBVキャリアにおける病態とHBVのアミノ酸変異についてlong-PCRおよびdirect sequnece法を用いてHBVの全領域を調べた.肝障害が強くなるほどcore領域およびPre-S領域にアミノ酸変異が起こってくることが判明した.core領域では,コドン84-101に集中してアミノ酸変異が見いだされ,これら変異の多い部位が免疫標的,すなわちCTLのエピトープである可能性が示唆された. また,long-PCRにて得られた全長HBV DNAをHuh7細胞にtransfectionすることにより複製,増殖する系を確立し,ウイルス変異の複製に及ぼす影響を検討した.Pre-core領域にstop codonを生じるようなmutationを導入することで,HBe抗原は産生されなくなるが,その増殖はwild typeと変わりないことが判明した. また,CTLにおけるT細胞受容体(TCR)の遺伝子構造解析を行い,そのレパートリーの決定を試みた.HBe抗原陽性の慢性B型肝炎患者より採取された肝組織および末梢血リンパ球を用いて,lnverse PCR,cloning,sequencingによりTCRα鎖の遺伝子構造解析を行った.肝内浸潤リンパ球においては,高頻度のVα7.2遺伝子の使用が見られ,これらVα7.2遺伝子の大部分がJα33遺伝子と結合していた.また,Vα7.2遺伝子とJα33遺伝子の間のN領域はすべて2個のアミノ酸よりなり,CDR3部分は互いに似通った構造を持っていた.T細胞はそのTCRを介して,HBV感染肝細胞上でHLA分子と結合したHBV由来のpeptide抗原を認識する.このTCRの抗原認識の特異性に関わるVα遺伝子,N領域とJα遺伝子の結合部,すなわちCDR3部分の共通した構造は,何らかのHBV由来のpeptide抗原に対応していることが推測された.
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[Publications] Ehata T: "Point mutation in precore region of hepatitis B virus:Sequcntial classgcs from 'wild' to 'mutant'" J Gastroen Hepatol. 11. 566-574 (1996)
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[Publications] Tagawa M: "Geve expression and active roplication in the liver after injection of duck hepatitis B virus DNA lnto the peripheral vein of ducklings." J Hepatol. 24. 328-334 (1996)