1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06404042
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前田 憲志 名古屋大学, 医学部, 教授 (90023853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 敏男 名古屋大学, 医学部, 講師 (10222332)
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Keywords | 透析アミロイドーシス / AGEs / β2-ミクログロブリン / カルボキシメチルリジン / ペントシジン |
Research Abstract |
透析アミロイドーシスは透析年数が10〜15年を越える長期透析患者には必ず発症し、現在、医学的にも社会的にも大きな問題になっている疾患である。我々は、これまでにアミロイドの主要成分であるβ2ミクログロブリンが、糖との非酵素的反応であるメイラード反応を受けadvanced glycation end products(AGEs)化し、透析アミロイドーシスの発症において重要な役割を演じていることを明らかにしてきた。本年度の研究ではAGEsレセプターの解析及びAGEs化β2ミクログロブリンに対するモノクローナル抗体の作製を行った。 1.AGEsレセプターの解析 単球/マクロファージより作成したcDNAライブラリーをCOS7細胞に導入し、acidic β2ミクログロブリンとの結合を指標にAGEsレセプターのクローニングを試みたが、偽陽性が多く、陽性・陰性の判定が非常に困難であった。この原因としてCOS7細胞の細胞表面にacidic β2ミクログロブリンが非特異的に結合するためと考えられた。そこで平成8年度は、クローニングされたRAGEを用いて、非特異的結合が少ない細胞株を予め選別した上でクローニングを行うことを試みたが、適当な細胞株は得られなかった。 単球/マクロファージとacidic β2ミクログロブリンとの結合を検討したところ、acidic β2ミクログロブリンは単球/マクロファージに濃度依存性に結合することが確認され、また、この結合がRAGEに対する抗体及び可溶性RAGEによりほぼ完全に阻害されることが確認された。この結果から、単球/マクロファージ上にはRAGE以外のレセプターが存在している可能性は非常に低いと考えられた。 2.AGEs化β2ミクログロブリンに対するモノクローナル抗体の作製 当初の計画ではAGEs構造をハプテンに結合させて免疫する方法でモノクローナル抗体の作製を考えていたが、有用な抗体は得られなかった。平成7年度の研究により、AGEs構造としてペントシジン、カルボキシルメチルリジンがAGEs化β2ミクログロブリンに存在していることが明らかになったため、今年度の研究ではこの両者を抗原としてポリクローナル及びモノクローナル抗体の作製を行い、ペントシジンに関してはポリクローナル及びモノクローナル抗体の両者を、また、カルボキシルメチリジンに関してはポリクローナル抗体のみを得ることに成功した。しかし、得られた抗ペントシジンモノクローナル抗体はIgMタイプであり、また感度の低いため、IgGタイプのモノクローナル抗体を得るため研究を進めていきたい。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Toshio Miyata: "New aspects in the pathogenesis of dialysis-related amyloidosis : role of β2-microglobulin modified with advanced glycaiton end products in bone and joint destruction" Nephrology Dialysis Transplantation. 11(suppl 2). 140-143 (1996)
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[Publications] Toshio Miyata: "Accumulation of albumin-linked and free-form pentosidine in the circulation of uremic patients with end-stage renal failure : renal implications in the pathophysiology of pentosidine" Journal of the American society of Nephrology. 7(8). 1198-1206 (1996)
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[Publications] Toshio Miyata: "The receptor for advanced glycation end products(RAGE) is a central mediator of the interaction of AGE-β2microglibulin with human mononuclear phagocytes via an oxidant-sensitive pathway" Journal of the Clinical Investigation. 98(5). 1088-1094 (1996)
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[Publications] Toshio Miyata: "Clearance of pentosidine,an advanced glycation end products,by different modalities of renal replacement therpy" Kidey International. (印刷中).
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[Publications] Toshio Miyata: "Implication of an increased oxidative stress in the formation of advanced glycation end products in patients with end-stage renal failure" Kindney International. (印刷中).