1994 Fiscal Year Annual Research Report
DNA組換えによる虚血耐性獲得と応用した長時間心保存法の確立に関する研究
Project/Area Number |
06404047
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 暉 大阪大学, 医学部, 教授 (00028614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 安史 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (10177537)
澤 芳樹 大阪大学, 医学部, 助手 (00243220)
谷口 和博 大阪大学, 医学部, 助手 (90171842)
白倉 良太 大阪大学, 医学部, 教授 (00116047)
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Keywords | 心保存法 / DNA組みかえ / HVJ-liposome法 / Heat shock Protein / 心筋虚血再灌流障害 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
心筋虚血再灌流に対する耐性向上を獲得するために心筋保護液や薬剤投与などのpharmacological therapyでは限界があり、最近ischemic preconditioningやHeat Shockなどのself-preservationが注目されている。今年度我々はHeat Shock Protein 70(HSP70)の遺伝子をHVJ(Hemmaggl utinating Virus of Japan)-liposme法によりratのwhole heartにin vivo transfectionし、HSP70を高度発現させることにより虚血再灌流障害に対する耐性を獲得しうるかを検討した。 【方法】:成熟rat心を心筋保護液にて心停止後摘出し、大動脈基部より逆行性に冠動脈にHSP70のcDNAを含むHVJ-liposome solutionを注入後同系rat腹部に移植し4日後摘出した(H群)。測定はLangendollf灌流装置にて37℃30分間の虚血再灌流後の心機能の回復及びWestern blottingによるHSP70蛋白発現量を測定し、HSP70のcDNAを含まないHVJ-iposome solutionを注入したcnt rol(C群)、全くの無処置rat(N群)、直腸温42℃20分のheat shockを与えたrat(P群)と比較検討した。 【結果】:Western blottingにおいてN群、C群に対しP群では高度のHSP70の発現を見たが、H群ではP群よりもさらに高度のHSP70の発現が確認された。虚血再灌流後のLVDP回復率は、H群では92±8%でありN群40±23%、C群51±8%、P群64±13%に対して有意に高い(p<0.05)回復率を示した。 【まとめ】:1)HVJ-liposome法を用いたrat whole heartに対する遺伝子導入によりHSP70を高度発現させることに成功した。 2)遺伝子導入により高度発現したHSP70によって、通常のheat shockの効果を上回る程の心筋虚血再灌流障害に対する耐性向上を得た。
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