1994 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺におけるβ-microseminoproteinの分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
06404059
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
斎藤 泰 長崎大学, 医学部, 教授 (70039832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 英樹 長崎大学, 医学部, 助手 (40235122)
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Keywords | 前立腺癌 / β-microseminoprotein / 遺伝子マッピング |
Research Abstract |
本研究は、前立腺癌におけるβ-microseminoprotein(MSP)産生能の喪失を分子遺伝学的に解明し、前立腺の癌化プロセスにおけるMSP遺伝子変化の意義を解明することにある。この目的のために、まずMSP遺伝子のマッピングおよび前立腺癌細胞における遺伝子異常の検出に着手した。 MSP遺伝子のマッピングについては、Fluorescence in situ hybridization(FISH)法を用いて、第10番染色体長居腕の動原体近傍に位置していることが明らかとなった。 MSP遺伝子異常の解析では、前立腺肥大症(過形成)組織では異常はみられなかったものの、前立腺癌細胞(LNCaP)で点突然変異が発見された。他の前立腺癌細胞についても現在検討中である。 今後は、前立腺癌細胞においてMSP遺伝子のマッピングを行い、癌化による欠失、転座などの変化の有無を染色体レベルで明らかにする。また、FISH法と共焦点レーザー顕微鏡を用いて正常前立腺、前立腺肥大症(過形成)および前立腺癌それぞれの組織におけるMSP遺伝子の局在を調べ、遺伝子局在の変化と前立腺癌の生物学的悪性度との関連を検討する計画である。さらに、mRNAレベルでのMSP発現の変化を調べ、DNA遺伝子→mRNA→蛋白合成→蛋白局在移動を種々の前立腺組織で検討する予定である。
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