超高速度ビデオを用いた単離外有毛細胞の音刺激に対する挙動解析

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06404060
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 和田 仁 東北大学, 工学部, 教授 (30111264)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 池田 勝久 東北大学, 医学部, 講師 (70159614) ; 佐藤 正明 東北大学, 工学部, 教授 (30111371) ; 高坂 知節 東北大学, 医学部, 教授 (80004646)
• Keywords: 外有毛細胞 / 動的挙動 / 電気刺激 / 計測 / 超高速度ビデオ

Research Abstract

会話領域における鼓膜の振幅が数ナノメータ(10^<-9>mのオーダー)にもかかわらず、ヒトの聴覚は鋭敏な判別機能を有している。この機能は内耳蝸牛内に存在する外有毛細胞自身のactiveな働き(筋肉のように動くことができる)による、エネルギ増幅により達成されると考えられているが、その機序は明確になっていない。そこで本研究では、高速な動きを捕らえることのできる超高速度ビデオと倒立顕微鏡を組み合わせ、外有毛細胞の振動計測システムを構築し、モルモットの外有毛細胞の振動計測を試みた。その結果、以下のことが明らかとなった。
1.外有毛細胞は交流電気刺激に対し伸縮性の振動をする。
2.外有毛細胞の電気刺激に対する振動の振幅は、刺激電圧に対し非線形的に変化する。
今後の計画として、外有毛細胞の交流電気刺激に対する周波数特性、および細胞の聴毛を屈曲させたときの外有毛細胞の動きを計測することを試みる予定を立てている。