1994 Fiscal Year Annual Research Report
色素上皮細胞の賦活化および移植による加齢黄斑変性症の治療の基礎と臨床
Project/Area Number |
06404061
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
玉井 信 東北大学, 医学部, 教授 (90004720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 明 東北大学, 医学部・附属病院, 医員
DURLU Yusuf 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90250787)
加藤 圭一 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (50260435)
山田 孝彦 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (40191316)
石黒 誠一 東北大学, 医学部, 講師 (20111271)
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Keywords | 網膜色素上皮細胞 / bFGF / 細胞外基質 / ラミニン / リポソーム / グリシン / MRI / 網膜色素上皮移植 |
Research Abstract |
色素上皮細胞の賦活化には、bFGFを始めとする増殖因子が重要である。基礎研究では、加藤、石黒らが、ウシ網膜抽質出液によるニワトリ色素上皮細胞の増殖効果を認め、神経網膜内在性色素上皮細胞増殖因子の精製を進めている。また、網膜色素上皮と種々の細胞外基質の影響を検討し、SV40largeT抗原遺伝子導入マウス色素上皮細胞が、ラミニン存在下では細胞が浮遊したまま生存するという知見を得た。この系は、色素上皮細胞の遊走モデルとして、色素上皮細胞が関与する病態の解明にも役立つと思われた。これらの知見を加藤が学会で発表した。荒川らは、種々の因子の硝子体内投与に必要となるリピド二重膜から成るリポソームを作製し、in vitroでは比較的安定して薬物を保存可能であることを示し学会で発表した。徐放性の改良、リポソーム自身のin vivoでの影響につき検討中である。Durluは、採取された色素上皮細胞の継代培養を行い、色素上皮が網膜機能を維持する上で必要と思われる諸酵素の活性低下を認めた。山田らのin situ hybridizationによって、それらの変化が遺伝子レヴェルより解明されつつある。in vivoでは、山田らが、ヨウ素酸ソーダを用いた色素上皮障害家兎眼で免疫組織化学を行い、神経伝達物質とされるGABA、グリシン、グルタミン酸の中で、グリシンのみ障害による局在の変化を認めた。こうした神経伝達物質、およびbFGFを始めとする増殖因子に関し、実験動物での膜色素上皮細胞の移植のもたらす影響を観察中である。 臨床研究では、山田が、現在までの病巣の評価にMRIを加えることによって診断に有益な情報が得られることを学会にて発表した。さらに、走査型レーザー眼底検査による評価を加えることにより、病態の解明と、色素上皮移植の人への応用に際しの最適な適応の選択基準の確立に役立つものと思われる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 君塚佳宏,庄司昭代,山田孝彦,玉井信: "Repair of damaged retinel pigment opithelial cells in the rabbit eye and effect of bFGF" Investigative Ophthalmology and Visual Science. 35. 1768- (1994)
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[Publications] 庄司昭代,君塚佳宏,山田孝彦,玉井信: "Abnormal localization of immunoreactive neuro transmitters in the exparimental retinal degene ration" Investigative Ophthalmdogy and Visual Science. 35. 1956- (1994)
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[Publications] 玉井信: "網膜色素上皮移植を目指して" 眼科手術. 7. 439-441 (1994)
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[Publications] 山田孝彦,菅野俊雄,君塚佳宏,玉井信: "加齢黄斑変性症の12症例に対する硝子体手術による治療の試み" 臨床眼科. 48. 1236-1237 (1994)
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[Publications] 君塚佳宏,山田孝彦,庄司昭代,玉井信: "網膜色素上皮修復に対するb-FGFの効果" 厚生省特定疾患網膜脈俗膜萎縮症調査研究班 平成5年度研究報告書. 44-46 (1994)
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[Publications] 山田孝彦,菅野俊雄,庄司昭代,玉井信: "Abnormal localization of immunoreactive nearotransmitter in the artificially damaged retina and effects of transplanted retind pigment epithelium" Investigative-Ophthalmology and Visual Science. 36(掲載予定). (1995)
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[Publications] 山田孝彦: "老人性円板状黄斑変性症、眼科New Insight(石橋達朗)" メディカルビュー社, (111-118)8 (1994)