1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06404063
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小澤 英浩 新潟大学, 歯学部, 教授 (60018413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
網塚 憲生 新潟大学, 歯学部, 助手 (30242431)
中村 浩彰 新潟大学, 歯学部, 助手 (50227930)
入江 一元 新潟大学, 歯学部, 助手 (70223352)
江尻 貞一 新潟大学, 歯学部, 助教授 (40160361)
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Keywords | 共焦点レーザー顕微鏡 / トレーサー実験 / 組織細胞化学 / CD44 / ヘパラン硫酸鎖 / エナメル器 / 骨組織 / 硬組織形態計測 |
Research Abstract |
平成6年度は非脱灰硬組織試料作成のための機器を設置するとともに共焦点レーザー顕微鏡を硬組織検索に適したシステムに変更し、以下のような研究を行った。 歯牙組織の微細構造学的な観察、およびその石灰化の動態を検索する目的で、カルセイン・テトラサクリンで標識したラットの未脱灰上顎臼歯部を、Villanueva bone stainで染色した後、50μの研磨切片を作成し、共焦点レーザー走査顕微鏡にて観察した。その結果、厚い研磨切片においても、象牙細管や歯髄および歯根膜の細胞成分、エナメル小柱などを高分解能で観察でき、同時にエナメル質や象牙質、セメント質における硬組織時刻描記像についても観察することに成功した。次に加齢に伴うラット下顎頭の組織変化を明らかにする目的で、テトラサイクリン・カルセイン標識した1,4,9,16,24か月齢のラット下顎頭を共焦点レーザー顕微鏡にて観察した。その結果、下顎頭の加齢変化が、前方部、中央部、後方部で異なるのは、咀嚼を中心とした機能圧、及び骨膜付着部における牽引力が、部位により異なることが示唆された。また下顎頭軟骨は、加齢に伴い硝子軟骨から、線維軟骨様に変化することが明らかとなった。軟骨から骨への置換様式は、いわゆる軟骨内骨化過程から、軟骨基質と骨基質の境界部における血管を中心としたオステオン様の骨添加過程へと変化し、軟骨基質と骨基質の境界が形成されることが示された。軟骨下骨における骨梁幅の拡大と骨梁の癒合は、加齢変化とともに、齧歯類ではかなり頻繁に行われている咀嚼によるメカニカルストレスが重要な因子となって骨形成が刺激された結果であることが示唆された。エナメル質の形成、成熟過程に関する研究としては、ラット下顎切歯におけるCD44、ヘパラン硫酸鎖(HS鎖)の局在について、共焦点走査型レーザー顕微鏡を用いて免疫組織化学的に検索した。その結果、HS鎖の局在は、分化期には主として外エナメル上皮の基底膜に認められ、形成期にいたると中間層細胞の細胞膜にもっとも強く認められた。成熟期にいたると乳頭層細胞の細胞膜が強い反応を示した。また、CD44の局在はエナメル器のすべての細胞において認められたが、形成期では中間層細胞、成熟期では乳頭層細胞が強い免疫反応を示すことが明らかとなった。
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Research Products
(17 results)
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[Publications] Ikegame,M.他: "Histochemical and autoradiographic studies on Elcatonin in intemalization and intracellular movement in osteoclasts." J.Bone Miner Res. 9. 25-37 (1994)
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[Publications] Yoshiba,N.他: "A confocal laser scanning microscopic study of the immunofluorescent localization of fibronectin in odontoblast layer of human teeth." Arch.Oral Biol.39. 395-400 (1994)
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[Publications] Lin,H.M.他: "Localization of H^+-ATPase and Carbonic Anhydrase II in Ameloblasts at the Maturation." Calcif.TiSS.Int.55. 38-45 (1994)
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[Publications] Aoki,N.他: "Ultrastructure of human skin by a rapid freezing technique:structural preservation and antigenesity." The Journal of Investigative Dermatology.102. 354-361 (1994)
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[Publications] Niida,S.他: "Expression of Mac-2 antigen in the preosteoclast and osteoclast identified in the op/op mouse injected with macrophage colony-stimulating factor.21GC05:J.Bone Miner.Res." 9. 873-881 (1994)
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[Publications] Kamijou,T.他: "Effects of cell death of osteocytes on osteoinduction in the autogenous rib graft in the rat mandible." Bone. 15. 629-637 (1994)
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[Publications] Nakamura,H.他: "Immunohistochemical localization of heparan sulfate proteoglycan in rat tibiae." J.Bone Miner.Res.9. 1289-1299 (1994)
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[Publications] Nakamura,H.他: "Immunohistochemical localization of vacuolar-type H^+-ATPase in osteoclasts." Arch.Histol.Cytol.57. 535-539 (1994)
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[Publications] 小澤英浩: "骨の石灰化の微細形態学的アプローチ" 細胞工学. 13. 1062-1071 (1994)
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[Publications] 風間順一郎 他: "7/8腎結紮ラットにおける骨代謝異常に対するビタミンDの効果" 腎不全. 6. 21-24 (1994)
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[Publications] 風間順一郎 他: "レーザー顕微鏡の骨動態観察への応用" CLINICAL CALCIUM. 4. 64-66 (1994)
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[Publications] 小澤英浩 他: "Bone Cellsの構造と機構" 日本臨床. 52. 12-20 (1994)
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[Publications] Kazama,J.J.他: "A new histochemical double-stain method using three-dimensional analysis with confocal laser scanning microscopy." Biotech & Histochem. (in press). (1995)
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[Publications] 小澤英浩 他: "骨吸収の細胞生物学" 蛋白質核酸酵素. (印刷中). (1995)
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[Publications] Kabasawa,M.他: "Histological observation of the dental tissues with the confocal laser scanning microscope." Biotec.Histochem. (in press). (1995)
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[Publications] 小澤英浩: "軟骨・骨の構造 最新内科学大系73巻" 中山書店(印刷中), (1995)
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[Publications] 江尻貞一 他: "硬組織 新しい光学顕微鏡 共焦点レーザー顕微鏡の医学、生物学への応用" 学際企画(印刷中), (1995)