1994 Fiscal Year Annual Research Report
保存修復材料の歯髄刺激性-歯髄の石灰化能に与える影響-
Project/Area Number |
06404069
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
寺下 正道 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (00118085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 宏 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60037546)
北村 知昭 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (50265005)
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Keywords | 修復材料 / 歯髄刺激 / ラット / 石灰化能 / デンティン・ブリッジ / ウシ歯胚 / 遺伝子 |
Research Abstract |
修復材料を修復(第1の刺激)したラット歯に生活歯髄切断(第2の刺激)を施し、Dentin bridgeの形成を観察するという新しい実験方法を用いて、修復材料の歯髄刺激性を評価することを試みている。Dentin bridgeの形成を評価することで歯髄細胞の分化、増殖能や石灰可能などの機能に与える影響が評価できる。 修復材料としてコンポジットレジンと亜鉛華ユ-ジノールセメントを用い、ラット歯髄の石灰化能を検討した。また比較の為、修復など何も処置してない無傷の歯(未修復歯)も観察対象として、同様に断髄・覆髄処置後のDentin bridgeの形成を評価した。その結果、亜鉛華ユ-ジノールセメント修復歯のDentin bridge形成能は未修復歯との差は認められなかったが、コンポジットレジン修復歯の場合は明らかに低下していた(九州歯会誌,1994)。これに加え、シリケートセメント修復歯の結果を春季保存学会(1995)に報告する予定である。 また、細胞機能のどのレベルに影響を与えているかを解明するために組織学的、分子生物学的にも検討する予定である。現在は正常ウシ歯胚を4つの層に分け、各々RNAを抽出し、c‐jun,junBおよびc‐fos各遺伝子の発現を検討している。その結果、c‐fosは全細胞層に均一に発現していたが、c‐junは歯髄細胞層で発現が強く、前象牙芽細胞層で弱い発現を示し、junBは象牙芽細胞層での発現が他の層に比べて弱いという結果を得た。このことからc‐jun,junBのウシ歯胚の発現における特異的な役割が示唆された。この結果を春季保存学会(1995)に報告する予定である。
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