1994 Fiscal Year Annual Research Report
矯正力による歯槽骨、顎骨の生体力学的変化とリモデリングとの関連性
Project/Area Number |
06404074
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
丹根 一夫 広島大学, 歯学部, 教授 (30159032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京面 伺吾 広島大学, 歯学部, 助手
吉田 志乃 広島大学, 歯学部附属病院, 助手 (80263713)
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Keywords | 生体力学的変化 / 有限要素法 / 応力解析 / 歯周靭帯(PDL) / 骨改造 |
Research Abstract |
既知の力を顎顔面領域の骨組織に負荷した場合の同組織における応力・歪みの特性を明らかにするとともに、組織学的・組織化学的変化ならびに骨の形状変化との関連性を解明することを目的とした。さらに、組織学的ならびに免疫組織化学的な骨組織の変化と生体力学的変化との関連性を検討し、顎顔面領域で見られる骨改造の機序を解明することを目的とした。 そこで、ラット上顎第一臼歯に額側方向への10gの水平力を加えた場合の、歯周靭帯(PDL)での変化を組織学的ならびに免疫組織化学的に検討した。次に、これと等価な条件下でラット上顎第一臼歯と歯周組織の二次元有限要素モデルを作製し、PDLの応力解析を行い、両要因の関連性について検討した。本解析モデルは、617個の節点と1140個の要素から構成され、物性の異なる歯、歯根膜、緻密骨、海綿骨を含む。また、解析には有限要素プログラムISAPを用いた。応力の特性は、線型弾性解析により求められたため、歯の移動の初期相における組織変化との比較を行った。 歯の移動開始3日後、圧迫域では破骨細胞を含む各種細胞の活性が上がり、これと解析によって得られた大きな圧縮主応力の存在とがきわめて一致した。同様のことが牽引域でも明らかとなった。このことより、人為的な歯の移動における生体力学的因子とりわけPDLの主応力の存在と細胞活性との強い関連性が明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tanne K.: "An analytic technique to simulate bone remodeling during orthodotic tooth movement." Japanese Journal of Oral Biology. 36. 71-76 (1994)
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[Publications] 丹根一夫: "歯の移動に伴う歯周組織の生体力学的変化" 矯正臨床ジャーナル. 6. 88-91 (1994)
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[Publications] Kyoumen S.: "Influences of aging changes in the periodontium on experimental tooth movement in rats." Journal of Dental Research. 74(in press). (1995)