1995 Fiscal Year Annual Research Report
矯正力による歯槽骨、顎骨の生体力学的変化とリモデリングとの関連性
Project/Area Number |
06404074
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
丹根 一夫 広島大学, 歯学部, 教授 (30159032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 志乃 広島大学, 歯学部・付属病院, 助手 (80263713)
京面 伺吾 広島大学, 歯学部, 助手 (40270780)
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Keywords | 生体力学的変化 / 有限要素法 / 応力解析 / 歯周靱帯(PDL) / 応力 |
Research Abstract |
既知の力を顎顔面領域の骨組織に負荷した場合の同組織における応力・歪みの特性を明らかにするとともに、骨の形状変化との関連性を解明することを目的とした。さらに、骨組織の変化と生体力学的変化との関連性を検討し、顎顔面領域で見られる骨改造の機序を解明することを目的とした。そこで、上顎複合体ならびに下顎骨に臨床に即した顎整形力を負荷した場合の応力の特性を解析し、骨格的な形状変化との比較を行った。その結果、縫合部ならびに下顎頭表層に加わる主応力の性状ならびに大きさが骨改造に関与する重要因子であることが明らかとなった。 加齢に伴う歯周組織の物理的性状の変化に着目し、若年者と成人について歯の動揺度を測定した。さらに、歯に矯正力を負荷した際の歯の変位および歯周組織に生じる応力を明らかにし、加齢に伴う歯周組織の変化と生体力学的反応との関連性について有限要素法を用いて検討した。 歯の動揺度測定結果より加齢に伴い歯の動揺度が減少することが明らかとなった。また、有限要素法による解析結果より歯根膜のヤング率の増加により歯の動揺度が減少した。このことより、加齢に伴い歯根膜のヤング率が増加することが明らかとなった。さらに、加齢に伴い歯根膜のヤング率が増加した場合圧迫側の歯槽頂部の歯周組織に生じる応力の増加が明らかとなった。以上より、成人においては、若年者よりも矯正力を小さくするとともに、力の活性を行う間隔を十分に設定することが重要と考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tanne K, Inoue Y.: "Biomevhanical behavior of the periodontium before and after orthodontic tooth movement." Angle Orthod.65(2). 123-128 (1995)
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[Publications] Tanne K, Tanaka E.: "Stress distributions in the TMJ during clenching associated with verical discepancies in the craniofacial complex" J. Orofac. Pain. 9(2). 153-160 (1995)
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[Publications] Tanne K, Matsubara S.: "Location of the center of resistance for the nasomaxillary complex studied in a three-dimensional finite element model" Brit. J. Orthod.22(3). 227-232 (1995)
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[Publications] Tanne K, Tanaka E.: "Stress distribution in the tempromandibular joint produced by orthopedic chin cup foreses applied in varying directions:a three-dimentional analytic approach with finite element method" Am. J. Orthod. Dentfac. Orthop.(in press). (1996)
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[Publications] Tanne K, Matsubara S.: "Association between the direction of orthopedic headgear force and sutural responses in the nasomaxillary complex" Angle Orthod.(in press). (1996)
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[Publications] 吉田志乃: "若年者と成人における歯周組織の物理的性状と生体力学的反応との関連性" 広大歯誌. 28(1)(投稿中). (1996)