1995 Fiscal Year Annual Research Report
シビレエイ電気器官シナプスを用いた神経伝達物質遊離機構とその調節機構に関する研究
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06404076
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桐野 豊 東京大学, 薬学部, 教授 (10012668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
得丸 博史 東京大学, 薬学部, 助手 (70262160)
川原 茂敬 東京大学, 薬学部, 助手 (10204752)
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Keywords | シビレエイ電気器官 / シナプトソーム / カルシウムチャネル / アセチルコリン / cDNAライブラリー / シナプトソーム内カルシウム |
Research Abstract |
1)シビレエイ電気器官シナプトソームからのアセチルコリン遊離に関与する電位依存性Caチャネルの同定を行う上で、種々のCaチャネルブロッカーによるシナプトソーム内Ca上昇の阻害効果を直接測定することが望まれる。しかしながら、通常のCa指示蛍光色素を用いてシナプトソーム懸濁液について測定する方法では、色素がシナプス小胞内にも取り込まれるために大きい誤差となり、正しい結果は得られない。本研究では、脱分極刺激によるシナプトソーム内Caの変化を、単一シナプトソームを対象としたイメージング法により行うことに成功しつつある。更に、この結果に基づいて、アデノシン受容体を介したCaチャネルの調節作用を測定することが可能になりつつある。 2)純粋なシビレエイ電気器官シナプトソーム標品の調製法として、抗アセチルコリンエステラーゼ抗体を作製し、これを利用した抗体カラムクロマトグラフィーを開発した。 3)CPGカラムクロマトグラフィーを用いた純粋なシナプス小胞の調製法を確立した。このシナプス小胞標品を用いて膜蛋白質の同定を行ったところ、従来報告されていた、凍結電気器官を出発材料とする調製法では、液胞型ATPaseが欠落することが示された。 4)シビレエイ電気葉からmRNAを抽出し、cDNAライブラリーを作製した。その産物に対して抗Caチャネルペプチド抗体を用いて、Caチャネルに対するcDNAの単離を行いつつある。 5)膜電位感受性色素と高速フォトダイオードアレイカメラを用いた、膜電位の光学的測定システムを構築し、実際に電気刺激した神経組織の膜電位変化を測定できることを確認した。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Kazunori Anzai: "Rapid measurement of Internal Volumes of Membrane Vesicles with ESR-Stopped Flow Technique" Magn.Reson.Medicine. 6. 190-191 (1995)
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[Publications] Akihide Kusumoto: "Simultaneous Measurement of Changes in Intracellularle Calcium Ions and Degranulation in Sing Intact Mast Cells from Rat Paritoneum" Bioimages. 3. 1-5 (1995)
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[Publications] 桐野 豊: "生体内酸素濃度測定法の開発" 学術月報. 48. 81 (1995)
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[Publications] Hiroshi Tokumaru: "A Calcium Channel from the Presynaptic Nerve Terminal of the Narke japonica Electric Organ Contains a Non-N-type α_2δ Subunit" J.Neurochem.65. 831-836 (1995)
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[Publications] Kazunori Anzai: "Phosphatidylserine-specific Transbilayer Lipid Translocation in Synaptosomal Plasma Membranes from Narke japonica" J.Biochem.117. 1232-1237 (1995)
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[Publications] Seiji Sakamoto: "Enhanced Membrane-Perturbing Activities of Bundled Amphiphilic α-Helix Polypeptides on Interaction with Phospholipid Bilayer" Bull.Chem Soc.Japan. 68. 2931-2939 (1995)
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[Publications] 桐野 豊: "膜電位イメージング法によるナメクジ中枢神経系における嗅覚情報処理機構の研究" ファルマシア. 32. 37-42 (1996)
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[Publications] Hiroshi Tokumaru: "Three Types of Calcium Channels Co-exist in Electric Organ Synaptosomes" Neuroscience. (印刷中). (1996)
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[Publications] Chie Fujiwara-Hirashima: "A Voltage-dependent Anion Channel from Tetrahymena Ciliary membrane In corporated into Planar Lipid Bilayers" Biochim.Biophys.Acta. (印刷中). (1996)
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[Publications] 桐野 豊: "ナメクジ中枢神経系の光生理学的研究" バイオイメージ. (印刷中). (1996)
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[Publications] 桐野 豊: "続医薬品の開発、第17巻.薬物の構造解析と医薬品開発" 廣川書店, 306 (1995)
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[Publications] 桐野 豊: "シナプス伝達のダイナミクス" 培風館, 146 (1995)