1995 Fiscal Year Annual Research Report
肢芽の位置価に対応した細胞接着の分子機構に関する研究
Project/Area Number |
06404084
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井出 宏之 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70022704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 直之 早稲田大学, 人間科学部, 助手 (50267449)
田村 宏治 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70261550)
山本 博章 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40174809)
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Keywords | 細胞接着分子 / 細胞選別 / カドヘリン / 肢芽 / パターン形成 |
Research Abstract |
肢芽のパターン形成時の位置価に対応した肢芽中胚葉細胞の培養下での選別の機構を解析している。昨年度まで、2種類の細胞の片方を染色する方法を用いていたが、今回、PKH-26とPKH-2の2種類の蛍光色素を用いて、無染色を含めて3種類の細胞の混合培養を行い、3種類の細胞それぞれで、選別を行っている事を明らかにした。また異なった色素で細胞を区別した結果、stage25の細胞の方がstage20の細胞より集合性が高く、選別への寄与が高い事がわかった。 また培養基質と肢芽細胞との作用を排除するため、agar上での培養を行い、stage25肢芽の前端部、後端部の細胞間でカルシウム依存性の選別を見いだした。これらの細胞については、同程度の集合性が認められた。 これらの選別を行っている分子を明らかにするため、肢芽でのカドヘリン遺伝子の発現をPCR法で調べた。その結果、新規のプロトカドヘリン遺伝子2種を見いだした。これらのプロトカドヘリン及び既知のカドヘリン遺伝子の発現をwhole mount in situ hybridizationで調べた結果、基部-先端部軸方向、および前後軸方向について発現パターンの差異がみられ、これらの接着分子が選別に関与している可能性が強く示唆された。またL-CAM(E-カドヘリン)遺伝子の発現は、表皮部全体ではなく、AERに局在しており、AERのマーカーとして使用できる事が示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yonei,S.: "MRC-5 cells induce the AER prior to the duplicated pattern formation in chick limb bud." Developmental Biology. 170. 542-552 (1995)
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[Publications] Tanaka,M.: "Effects of citral,an inhibitor of retinoic acid synthesis,on cartilage patterning in the chick limb bud" Developmental Biology. (in press). (1996)
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[Publications] Ide,H.: "Cell-cell interaction in chick limb bud mesenchyme(Review)" Zool.Sci.(in press). (1996)