1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06404086
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
城所 良明 群馬大学, 医学部, 教授 (00053083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉原 基二郎 群馬大学, 医学部, 助手 (80222397)
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Keywords | 神経筋シナプス / シナプス形成 / ショウジョウバエ / グルタミン酸受容体 / エンハンサートラップ / 半致死株 / シナプス電流 / グルタミン酸受容体チャネル |
Research Abstract |
シナプス形成に関与する遺伝子を同定し、その役割を解明するために変異株の分離を行った。P-因子を用いたエンハンサートラップ法により1064株を作り、そのうち致死または半致死株240を選び、さらにscreeningを行った。我々の用いたP-因子にはKinesin-lacZ遺伝子が組み込まれているために標的となった遺伝子が発現している細胞を標色することができる。この方法で運動細胞または筋細胞で発現がみられるものを選び約20株を得た。 新しく分離された半致死株(MY7919)におけるシナプス伝達の解析 MY7919は運動神経を含む神経細胞で発現している。幼虫は動きが鈍く、つついた時のみ動く。ほとんどが致死であるが、時に成虫になるものもある。形態形成はほぼ正常である。 自発性複合シナプス電流;外液中に0.5mM Ca^<2+>が存在すると大きなシナプス電流が頻発する。これは神経由来のシナプス電流であることは、1)TTXによっておさえられる。2)中枢神経を取り去るとでない。3)神経刺激によるシナプス電流と大きさがよく似ている。ことから結論された。MY7919においてはこの複合シナプス電流が野性株の約55%であった。 神経刺激によりシナプス電流;神経を刺激しているシナプス電流もMY7919では小さく、約50%であり、刺激に応じない率も高かった。このことからシナプス前因子が関与していることがわかった。 微小シナプス電流;さらにシナプス後因子の関与を調べるために微小シナプス電流を解析した。その結果振巾がMY7919においては約85%であることがわかった。さらにシナプス後膜にあるチャネルの単一チャネル電流を測るとこれも野性株の約85%であることがわかった。 遺伝的解析 In situ Hybridizationによりこの遺伝子は第II染色体の59D-Eの部位にあることがわかった。この部位には未だ既存のシナプス伝達異常株は位置していないことから、新しい蛋白をコードする遺伝子である可能性がある。
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[Publications] Nishikawa, K. Kidokoro, Y.: "Junctional and Extrajunctional Glutamate Receptor Channels in Dorosophila Embryos and Larvae" Journal of Neuroscience. 15. 7905-7915 (1995)
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[Publications] 城所良明: "シナプスの分化と形成" 神経研究の進歩. 39. 813-822 (1995)
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[Publications] Kidokoro, Y. Nishikawa, K. Yoshihara, M.: "Glutamate receptor channels and synapse formation in embryonic Drosophila muscles in ″Basic Neuroscience in Invertrates″" Tokyo University Press, (1996)