ネコ・サルにみられる四足および二足歩行運動の高次制御機序

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06404087
• Research Category: Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
• Research Institution: Okazaki National Research Institutes
• Principal Investigator: 森 茂美 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (80001907)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 中陦 克巳 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (60270485) ; 岩切 裕昌 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (10261124) ; 宮下 英三 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (00182014) ; 松山 清治 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (40209664)
• Keywords: 歩行運動 / 四足歩行 / 二足歩行 / 脳幹 / 大脳皮質 / 高次制御機序 / サル / ネコ

Research Abstract

本研究における主要な目的は歩行運動にかかわる高次制御機序を解明することにある。この目的を達成するためには、大脳皮質および皮質下核がネコなどより発達しているサルを実験動物として用いる必要がある。またその一方では無拘束下に単一ニューロン活動を記録したり、神経伝達物質およびそのagonistを中枢神経系の特定部位に注入するなど、サルに応用できる実験手法の確立も必要となる。これらの二点を考慮しながら本研究を進めた。
1)サルを用いた実験モデルの確立:トレッドミル上での四足および二足歩行運動を三頭の日本サルを用いて学習させた。学習が成立するまでには約6ケ月のトレーニングを必要とした。一頭のサルについては、トレッドミルの速度変化に対応してその歩容を変化することも確認できた。また学習が成立したサルについては、四足歩行および直立二足歩行の両者を実行させることも可能であった。これらから歩行運動の高次制御機序を解明する目的でサルを実験モデルとして使えることが明らかとなった。
2)大脳皮質および皮質下核におけるニューロン活動の導出・記録:この目的を達成するため予備実験としてネコを用いた。無拘束下でのニューロン活動を慢性的に記録するためには、軽量で小型のmicromanipulatorを用いることが必要となる。この目的をみたすmicromanipulatorを試作し、記録電極との対応において単一ニューロン活動を導出・記録するための予備実験を進めた。ネコでは実験条件をほぼ満足するmicromanipulatorを試作することができた。ネコでの研究を進めながらサルに使用できるmicromanipulatorを試作する予定である。
本年度の研究目的は支障なく達成できたと考えている。

Research Products

• [Publications] 岩切 裕昌: "Extra cellular levels of serotonin in the medial pontine reticuler formation in acute decerebrate cats with a microdialysis technique" Neurosci.Lett.117. 19-22 (1994)
• [Publications] 岩切 裕昌: "Multi-segmental and generalized suppression of postaral muscle tone evoked by stimulating the dorsal tegmental field" Neurosci.Lett.182. 83-86 (1994)
• [Publications] 小林 吉史: "Distribution of serotonin cells projecting to the pontomedullary reticular formation in the cat." Neurosci.Res. 20. 43-55 (1994)
• [Publications] 高草木 薫: "Dischaige properties of medullary reticulcspmal neurons during postaral changes induced by intrapontive intextions of car badul" Exp.Brain Res.99. 361-374 (1994)
• [Publications] 森 茂美: "運動の構え:姿勢と運動の平衡" Jpn.J.Sports Sci. 13. 767-775 (1994)
• [Publications] 茗荷秀昭: "Postnatal development of locomotor movements in normal and para-chrolophenylalanin-treated newborn rats" Neurosci.Res.21. 211-221 (1995)
• [Publications] 森 茂美: "Monogr,Neural Sci. Vol14" M.Segawa,Y.Nomura(eds.) Kargar Press, 168-177 (1995)
• [Publications] 松山清治: "Motor Control" P.Pierce(in press),