1995 Fiscal Year Annual Research Report
社会的相互作用状況における情報処理過程の研究-自己情報処理システムを中心に-
Project/Area Number |
06451026
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
末永 俊郎 帝京大学, 文学部, 教授 (80011261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
厳島 行雄 日本大学, 文理学部, 助教授 (20147698)
風間 文明 帝京大学, 文学部, 助手 (20276760)
沼崎 誠 帝京大学, 文学部, 講師 (10228273)
鎌原 雅彦 帝京大学, 文学部, 助教授 (90169805)
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Keywords | 情報処理 / 社会的認知 / 自己 / 社会的相互作用 / 対人記憶 |
Research Abstract |
「対人記憶における自己関連づけ効果」に関しては、自伝的記憶/自己記憶/他者(父親)記憶/意味的記憶に対して,プライミングの効果を検討した.自己に関する記憶は意味的記憶と同様の結果を得たが,他者記憶とは異なった結果が得られた.さらに,顔に関する記憶の実験については,刺激を作成し,実験を行い分析を行っている.このことより,自己記憶の表象は意味記憶の表象と質的に異なるものではないことが示唆されるが,他者記憶の表象と質的にか量的にかはまだはっきりしないが異なる可能性があることが示唆された. 「社会的相互作用状況における自己表象の維持・形成過程」に関しては,自己の能力に関連する情報の収集行動を取り上げ自己表象との関連を検討した.結果としては,自己の表象の様々な側面が独立にではなく,相互関連しながら自己関連情報収集行動に影響をあたえることが示された.そして,自己の表象と自己関連情報収集行動の関係は単純なものではなく、自己表象のゲシュタルト的関係を注目する必要であることが示唆された.また,多面的自己と種々の社会的相互作用に関係する個人差尺度を測定し,その関連について検討を行った,その結果として,多面的自己と社会的適応との関連が当初考えていた以上に複雑な関係を示すという結果が得られた. 「社会的行動における自己表象と感情の役割」に関しては,平成6年度に導入した相互作用観察装置を用いて援助行動の実験を行い現在分析を行っている.これら実験から,平成6年度に導入した相互作用観察装置の,研究をする上での有効性および問題点が示された.
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