1996 Fiscal Year Annual Research Report
社会的相互作用状況における情報処理過程の研究-自己情報処理システムを中心に-
Project/Area Number |
06451026
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
末永 俊郎 帝京大学, 文学部, 教授 (80011261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
厳島 行雄 日本大学, 文理学部, 助教授 (20147698)
風間 文明 帝京大学, 文学部, 助手 (20276760)
沼崎 誠 帝京大学, 文学部, 講師 (10228273)
鎌原 雅彦 帝京大学, 文学部, 助教授 (90169805)
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Keywords | 情報処理 / 社会的認知 / 自己 / 社会的相互作用 / 対人記憶 / 感情 |
Research Abstract |
対人記憶における自己関連づけ効果」に関しては、被験者に刺激項目である形容詞についての評定を行わせ、1時間後と1週間後に再認が求められた。符号化条件として、自己参照群、好きな人物参照群、嫌いな人物参照群、および項目の意味について評定する意味群の4条件が設けられ、再認については、それが反応のタイプとしてremembering(R)判断であるかknowing(K)判断であるかの選択が求められた。結果として,適合項目の1時間後再認では、「意味」と比較して「人物」を参照する条件でR判断が多く、K判断が少ないが、不適合項目では逆の傾向、つまり、R判断が少なく、K判断が多いことが認められた。1週間後再認では、他者参照群は意味群と同様、R判断よりもKの判断の割合が高かったが、自己参照群ではそうした傾向はなく、R判断とK判断との間に違いは認められなかった。これら結果は一般に「人物」を参照する場合と「意味」を評定する場合、また同じ人物参照でも自己の場合と他者の場合とで記憶情報の処理の仕方が異なることを示すものと解釈された。 社会的行動における自己表像と感情の役割」に関しては,ム-ド生起の原因が自己にあるか他者にあるか、ム-ドの種類が楽しみか、悲しみか、怒りか、の2×3要因計画のもとに、作業量の上限(作業コストの認知)、援助意欲、援助可能日数、援助可能総時間への影響が検討された。ム-ドの生起原因が自己にある場合、援助は「楽しみ」ム-ドにおいて促進されず、むしろ「怒り」ム-ドにおいて促進される傾向が見られた。ム-ドの原因が他者にある場合、「悲しみ」ム-ドにおいて援助が促進されたが、「楽しみ」と「怒り」のム-ドでは促進も抑制もされなかった。このようにム-ドの種類の違いによって自他の生起原因の影響には差があるように思われる。
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Research Products
(1 results)