1995 Fiscal Year Annual Research Report
変革的リーダーシップに基づくハイブリッド・リーダーシップモデルの構築
Project/Area Number |
06451027
|
Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
井上 隆二 立正大学, 文学部, 教授 (40062822)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井田 政則 立正大学, 文学部, 助教授 (70151462)
|
Keywords | リーダーシップ / リーダー行動 / 変革的リーダーシップ / カリスマ的リーダーシップ / 部下への評価・報酬行動 / 知的喚起行動 / モラール / 管理者-部下交互作用 |
Research Abstract |
平成7年度においては,実際の産業場面における管理者-部下間にハイブリッド・リーダーシップがどのように機能しているのかを調べるために,前年度の面接調査・予備調査の結果をふまえて,本調査を実施した. 面接調査・予備調査の結果に基づき作成された本調査用質問票は,管理者用-自己評定質問票(113質問項目)と部下用-他者評定質問票(112質問項目)の2種類であった.首都圏にある3企業に勤務する管理者(課長クラス・134名)とその直属の部下(1108名)を対象に調査を実施した. 管理者の自己評定から得られたデータの因子分析の結果,ハイブリッド・リーダーシップモデルの因子として,I「知的・意欲喚起リーダー行動」・II「非カリスマ的自己理解」・III「報酬的交換行動」・IV「部下否定的行動」・V「部下個性無視行動」の5因子が抽出された.すなわち,これまでの研究では明らかでなかった,管理者のリーダー行動に影響を与える自己理解因子および部下理解因子が抽出された. 次いで部下による他者評定から得られたデータを因子分析にかけたところ,I「カリスマ的リーダーシップ」・II「部下評価」・III「知的喚起・目標設定」・IV「保守的管理」・V「部下の自己犠牲的実力発揮行動」の5因子が抽出された.部下のモラールの高さに影響をおよぼすのはどのような因子なのかを調べるために,部下質問票から得られたデータにパス解析を適用して分析を行った.その結果,「カリスマ的リーダーシップ」因子は,部下のモラールに直接的に影響を及ばさずに,管理者の他のリーダーシップ行動を通じて,間接的に部下のモラールを左右するということが明らかになった.また,部下のモラールに直接的影響をおよぼす要因は,第一に「知的喚起・目標設定」因子であり,第二に部下の「自己犠牲的実力発揮行動」因子や「保守的管理」因子であることが示された.
|
Research Products
(1 results)