1995 Fiscal Year Annual Research Report
社会福祉意識の形成過程に関する研究-神奈川県における調査研究を通して-
Project/Area Number |
06451037
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Research Institution | JAPAN COLLEGE OF SOCIAL WORK |
Principal Investigator |
前田 大作 日本社会事業大学, 大学院・社会福祉学研究科, 教授 (70072965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和気 康太 日本社会事業大学, 社会事業研究所, 助手 (50257060)
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Keywords | 社会福祉意識 / 社会福祉サービス / 地域福祉 / 高齢化社会 / 国際比較 / 住民参加 |
Research Abstract |
継続研究の2年目にあたる平成7年度は、昨年度(平成6年度)に引き続いて、神奈川県鎌倉市において調査研究を実施した。 昨年度は、研究代表者が研究所長を努めていた社会事業研究所の研究プロジェクトに研究分担者が参加し、北欧型福祉国家のひとつであるフィンランドとの国際比較研究を行った。この調査研究は、鎌倉市の一般高齢者と要介護高齢者を対象とする総合的な調査であり、高齢者の価値意識(同居観、介護観など)、主観的幸福感、保健福祉サービスの利用意識、ソーシャルネットワーク、ソーシャルサポートなどを主要な調査項目としていた。 今年度は、本研究のテーマである、「社会福祉意識の形成過程に関する研究」をより深めるために、上記の調査結果をもとにして2種類の調査研究を行った。そのひとつは、高齢者に対する聞き取り調査であり、高齢者の生活史の視点から、いかに高齢者の社会福祉意識が形成されてきたかを尋ねる事例調査である。もうひとつは、鎌倉市の住民参加型在宅福祉サービス提供団体に対する調査研究である。この調査は、上記の調査がいずれも高齢者、すなわちサービスの利用者に対する調査であるのに対して、サービスの提供者である「協力会員」を対象とした輸送調査(サンプル数600名)である。この調査では、全国規模で実施された調査を参考にしながら、在宅福祉サービス活動に参加している地域住民の社会福祉意識がいかに形成されてきたか、またそれに何が影響を与えているかに焦点を絞って調査を行った。 以上、本研究では鎌倉市という限定された地域ではあるものの、高齢者保健福祉の領域でかなり総合的かつ重層的な調査研究を、国際比較あるいは全国調査との比較という視点から行うことができた。この点にこそ、本研究の学術的な意識が存在すると考えられる。
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