1995 Fiscal Year Annual Research Report
「自然法」概念の形成過程に関する精神文化史的研究(データベース構築による)
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06451038
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
平野 秀秋 法政大学, 社会学部, 教授 (40061105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 優子 法政大学, 第一教養部, 教授 (40139390)
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Keywords | 自然法 / ライプニッツ / ホッブズ / ジョン・ロック / 普遍主義と多元主義 / 東西精神文化比較 / カルチュラル・スタディーズ / 文化多元主義 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、文献研究をもとに西欧自然法概念の成立過程を追求した。 特に今年度は、自然法思想家の中でも最高峰に位置しながら、従来の自然法思想研究の中にあたかも自明のように仮定されている普遍主義にたいする深刻な異論を提起したがために、最近まで理解がきわめて不完全であったライプリッツ倫理学における自然法思想を、かれが終始論敵と見なしたトーマス・ホッブズならびにジョン・ロックとの対比において明らかにすることに力点を置いた。 その結果は、裏面に記載した論文「ライプニッツ論(第2部)」の中で発表した通りである。本論文は400字換算220枚に相当し、既刊の第1部等と総合して著述とする予定のものの中心となる。ライプニッツ自然法概念における論理主義的普遍主義と文化的多元主義との両立の構想は、研究史にたいする新しい問題提起と考える。 さらに上記とは別に、自然法概念の中心的な帰結である法規範のバリエーションとしての競技の規則に関する論文を公刊した。これは、カルチュラル・スタディーズという名称のもとにようやく最近注目されつつある研究動向の一環であり、本研究が大局的に目標とするものの重要な一部であった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 平野秀秋: "ライプニッツ論(第二部):「理性会通論」への補遺" 社会労働研究(法政大学社会学部概要). 42巻4号. 69-164 (1996)
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[Publications] 井上俊他編: "現代社会学第20巻き" 岩波書店, 202 (1995)