1996 Fiscal Year Annual Research Report
外国語読解力を量質ともに飛躍的に高める教授法の研究
Project/Area Number |
06451082
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長谷川 隆久 早稲田大学, 語学教育研究所, 教授 (40063664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧田 英二 早稲田大学, 語学教育研究所, 教授 (10063661)
岡村 三郎 早稲田大学, 語学教育研究所, 教授 (30009724)
乾 英一 早稲田大学, 語学教育研究所, 教授 (30130868)
井田 卓 早稲田大学, 語学教育研究所, 教授 (60063765)
会津 洋 早稲田大学, 語学教育研究所, 教授 (50063491)
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Keywords | 外国語読解 / 学習者の自主性 / 多読 / 語彙 |
Research Abstract |
外国語を読む場合、大学生は、次のような問題点をかかえている。 1 大量のテキストに接するコツをしらない。テキストを好きに選んで楽しんで(興奮して)読む経験がない。 2 外国語テキストに接するのは、自らそれを選んだ結果ではなく、教師の選んだテキストを受動的に受け入れた結果である。 3 その結果、教育制度の枠を離れて(教師の指導を離れて)自立して読むことができない。 4 テキストを読む目的が、100点満点をとることを理想として、与えられたテキストの解釈・翻訳(いわゆる訳読)になっている。 これに対して、母国語のテキストを読む場合は、情緒的・知的感動があり、自分の世界観の再構築をはかることが、読みの目的であって、解釈の正さの度合いを点数によって評価されることではない。その結果、時間を忘れて読むという体験ができる。 以上の認識から、外国語テキストの読みの概念を修復し、読みの新しいコツを覚えてもらうための授業を展開した。通常の4〜5倍の量のテキスト、単語表の提供、感情移入をともなう音読の重視、自主的なグループ討議を行なう一方、自主学習として、相互了解や励まし合いを背景とした復習、対訳・翻訳の利用のすすめ(辞書を引かない、単語を覚えようとしない、日本語から読む、分からない部分も読む、ただし分からないことにこだわらない、で自主的に行ない、対訳本にして10冊くらいをめどとする)などを習慣化すれば、現実の大学教授の拘束の中でも、一定の成果を上げうるという仮説を、共同研究の結果立て、それをフランス語初級における週一回、年間200ページ読む授業実験で実証したものである。
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Research Products
(1 results)