ヨーロッパにおけるコスモポリタニズムとナショナリズム

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06451093
• Research Institution: Kobe University
• Principal Investigator: 小野 理子 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (60031340)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 岩本 和子 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (60203410) ; 光末 紀子 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (80031350) ; 平野 雅史 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (50031315) ; 柏木 俊和 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (10031345) ; 宮ヶ谷 徳三 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (10031311)
• Keywords: ヨーロッパ / コスモポリタニズム / ナショナリズム / フランス革命期 / 世紀転換期 / 地中海 / ノスタルジア / フェミニズム

Research Abstract

1.ヨーロッパのコスモポリタニズム・ナショナリズムに関する文献、17〜19世紀のコスモポリタンに関する文献を購入し、これらの資料の検討・整理を行った。
2.次のテーマで研究発表とそれに関する活発な討論が行なわれた。
平成7年4月「フランス革命とナポレオン時代におけるドイツ思想の転回」(藤野)
5月「平和主義者としてのヴァージニア・ウルフ」(鵜飼)
6月「ホモセクシュアル英国人と地中海」(石塚)
9月「世紀転換期プラハにおけるナショナリズム」(石光)
10月「ドイツ最初のコスモポリタン、ゲオルク・フォルスター」(平野)
11月「イギリス文化に見るノスタルジアの系譜」(笹江)
平成8年1月「ニコロ・パガニ-ニ-さまよえる柩」(三木原)
2月「母性主義フェミニズムとナショナリズム」(光末)
3.学習院大学助教授有川治男氏による講演・研究会を行なった。
平成7年10月21日「ロマン派絵画におけるナショナリズムとコスモポリタニズム」
「ナショナリズム」「コスモポリタニズム」とは何か、それらのヨーロッパにおける特殊性は何かという問題を常に念頭におきながら、具体的かつ深い考察を伴う研究・発表がなされた。特定の文化圏に限定されがちだった各分担者の視野と思考が深まり、また活発な意見交換を通してマクロ・ミクロ両視点からのヨーロッパ像が見えてきた。

Research Products

• [Publications] 小野理子: "『道標』がとらえた社会主義" 民主文学. 1月号. 172-179 (1996)
• [Publications] 光末紀子: "『フランケンシュタイン』における他者性の問題" ドイツ文学論集(神戸大学ドイツ文学論集刊行会). 24号. 25-42 (1995)
• [Publications] 小紫重徳: "『4つの讃歌』管見(その1)" Kobe Miscellany(神戸大学英米文学会). 20号. 19-36 (1995)
• [Publications] 小紫重徳: "『4つの讃歌』管見(その2)" Kobe Miscellany(神戸大学英米文学会). 21号(予定). (1996)
• [Publications] 三木原浩: "シャンソンはエスプレッソの香り" QUINTETTE. 14号. 41-69 (1995)
• [Publications] 三木原浩: "『ディジョンへの道』から『ロレ-ヌ地方を通るとき』まで" QUINTETTE. 15号. 69-92 (1995)
• [Publications] 内田正博: "「非生」のドイツ-ホ-フマンスタールの『帰国者の手紙』" ドイツ文学論攷(阪神ドイツ文学会). 37号. 53-70 (1995)
• [Publications] 笹江修: "泥へのノスタルジア-『チャタレ-夫人の恋人』への一考察-" Kobe Miscellany(神戸大学英米文学会). 21号(予定). (1996)
• [Publications] 石光輝子: "世紀転換期プラハにおけるナショナリズム" ドイツ文学論集(神戸大学ドイツ文学論集刊行会). 24号. 43-56 (1995)
• [Publications] 石塚裕子: "ホモセクシュアル英国人と地中海-E.M.フォスターの場合-" Kobe Miscellany(神戸大学英米文学会). 21号(予定). (1996)
• [Publications] 藤野一夫: "若きドイツ派から青年ヘーゲル派へ" ワーグナーセールブ-フ1994. 79-104 (1995)
• [Publications] 藤野一夫: "フランス的抽象と国家的覚醒" 近代(神戸大学近代発行会). 79号. 33-76 (1996)
• [Publications] 岩本和子: "ロマン主義時代のコスモポリタンたち-19世紀ヨーロッパにおける<旅>と<旅行記>の変容-" 国際文化学研究(神戸大学国際文化学部紀要). 4号. 1-26 (1995)
• [Publications] 岩本和子: "周辺文化の越境-多言語国家ベルギーにおける文芸雑誌の変遷-" EBOK (神戸大学仏語仏文学研究会). 7号. 73-88 (1995)
• [Publications] 加藤雅之: "Latimer the Interpreter : the Genesis of Secrecy in “The Lifted Veil"" Kobe Miscellany(神戸大学英米文学会). 21号(予定). (1996)
• [Publications] 鵜飼信光: "Peter Walsh's Dream : On Arbitrariness of Perception in “Mrs. Dalloway"" 近代(神戸大学近代発行会). 78号. 45-63 (1995)
• [Publications] 三木原浩: "シャンソンはそよ風のように-フランス紀行文化断想-" 彩流社, 305 (1996)