1995 Fiscal Year Annual Research Report
経済時系列データの和分・共和分分析の理論的・応用的研究
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06451103
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
前川 功一 広島大学, 経済学部, 教授 (20033748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 順次 広島大学, 経済学部, 助教授 (40210306)
高林 喜久生 広島大学, 経済学部, 助教授 (10226912)
椿 康和 広島大学, 経済学部, 助教授 (70144805)
宜名真 勇 広島大学, 経済学部, 教授 (30127758)
北岡 孝義 広島大学, 経済学部, 教授 (60116572)
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Keywords | データベース / 単位根検定 / 共和分のヨハンセン検定 / 金融時系列 / 在庫投資モデル / ARCHモデル / リサンプリング / 景気循環 |
Research Abstract |
平成8年度は、前年度の継続研究及び新たな研究を、次頁の項目11の研究発表に示されるような実績を上げた。 (1)研究基盤の整備。本研究費により、初年度購入したワークステーション上に主要経済時系列データベースを構築中であったが、今年度はそれが本格的に稼働を始めた。それを以下に述べる経済時系列の和分・共和分分析の実証分析に利用した。またこのワークステーションをインターネットへ接続し広く国の内外からもデータを検索した。研究発表(11)、(12)は、このようなシステム作りに関する基礎的研究である。 (2)理論的成果。研究発表(5)は動学モデルにおける和分過程の、(6)は4半期データの各期間の共和分に関する理論的問題を分布論の立場から2、3の点を解明した。(16)はヨハンセンの共和分検定の理論的問題点を指摘し解決方を提案した。(17)はリサンプリングの手法による時系列データの推定を論じたものである。(3)は時系列分析ではないが、時系列に於ける推定効率にも関連する基礎的な研究である。 (3)実証分析。研究発表(9)は、金融時系列データに対して和分・共和分分析を用い、日銀の金融政策の問題点を指摘し、注目を集めた。(10)はARCHモデルを用いた在庫投資関数の推定である。このモデルは証券の時系列分析のみでなく在庫投資の分析にも有効であることが初めて示された。(13)-(14)は必ずしも和分・共和分分析ではないが、経済時系列を用いた実証分析という意味では、本研究の成果ということが出来る。 (4)総括。以上の他に、学会報告および未発表原稿という形で多くの成果を上げている。分担者の協力を得て本研究は成功裏のうちに終了したものと自己評価できよう。
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Research Products
(19 results)
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[Publications] Koichi Maekawa: "Prewhitened unit root test" Economics Letters. 45. 145-153 (1994)
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[Publications] Hiroyuki Hisamatsu (with K. Maekawa): "The distribution of the Durbin-watson statistic in integrated and near-integrated models" Journal of Econometrics. 61. 367-382 (1994)
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[Publications] V. K. Srivastava (with K. Maekawa): "Efficiency properties of feasible generalized least squares estimators in SURE models under non-normal disturbances" Journal of Econometrics. 66. 99-121 (1995)
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[Publications] H. Hisamatsu (with J. L. Knight, K. Maekawa): "The exact distribution of the OLS and GLS estimators in regression with an integrated regressor and correlated errors" Mathematics and Computers in Simulation. 39. 273-277 (1995)
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[Publications] Koichi Maekawa: "Estimation in dynamic regression with an integrated process." Journal of Statistical Planning and Inference. 49. (1995)
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[Publications] Koichi Maekawa: "Periodically Integrated Autoregression with a Structural Change" Mathematics and Computer in Simulation. 50(予定). (1996)
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[Publications] 北岡孝義: "預金金利自由化と金融政策における操作変数の選択問題" 広島大学経済論叢. 17. 129-162 (1994)
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[Publications] 北岡孝義: "株価変動と可変的トレンド・モデル" 広島大学経済論叢. 18. 169-192 (1995)
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[Publications] 北岡孝義: 短期金融市場における金融政策の効果波及経路の検証. 広島大学経済論叢. 1996 (19(予定))
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[Publications] 宜名真 勇: "A conditional volatility and the production smoothing hypothesis of inventory investment" International Journal of Production Economics. (予定). (1996)
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[Publications] 椿 康和: "わが国におけるインターネットの展開と課題" 広島大学経済論叢. 18. 85-114 (1995)
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[Publications] 椿 康和: "ネットワーク志向の経済時系列統計資料検索システム" 広島大学経済論叢. 19(予定). (1996)
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[Publications] Jzunji Yano: "On the Role of the Bonus Payment for the Japanese Business Cycles: Revisited" 広島大学経済論叢. 18. 115-137 (1995)
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[Publications] 高林喜久生: "税収の地域間格差について" 広島大学年報経済学. 16. 15-32 (1995)
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[Publications] 高林喜久生: "地方財政調整の再検討" 広島大学経済論叢. 18. 235-247 (1994)
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[Publications] 小滝光博: "多変量自己回帰モデルにける共和分のためのJohansenの方式による統計的推測の再検討" 広島大学年報経済学. 16. 43-64 (1995)
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[Publications] 福地純一郎: "Confidence Intervals for endpoints of acaf via bootstrap" Journal of Statistical Planning and Inference. (予定). (1996)
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[Publications] 矢野順治: "An Alternative Approach to Money Demand Function for the Japanese Economy" 広島大学年報経済学. 17(予定). (1996)
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[Publications] 矢野順治(他7名): "経済分析英語版・ECONOMIC ANALYSYS" 経済企画庁(予定), (1996)