台湾経済の国際比較-経済効率と社会資本における日本、中国との比較のために-

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06451104
• Research Institution: Nagoya University
• Principal Investigator: 村岡 輝三 名古屋大学, 経済学部, 教授 (60089977)
• Keywords: トライアングル論 / 東洋資本主義 / 輸出指向型工業化 / アジアNIES / 中国経済の開放化 / 外資導入 / 日本資本主義論 / 日本的経営

Research Abstract

1.台湾経済の基礎的統計的資料の収集と整理に力を注ぎ、日本と中国の基本的関連資料との比較を念頭において時系列化をはかることとした。日本と中国の基礎的統計的資料の整備がHsueh教授(香港中文大)と伊藤教授(大阪府立大)によって進められ、経済の計量的実績、公共・民間区分による競争力の計量的測定、投資・貯蓄・金融の効率における計量化、対外貿易の特化係数、財政公共支出の効率化測定、産業連関、国民所得等の統計資料について相互整合を検討した。当方の資料整理の進展に助言をいただくことができた。
2.以上の作業と併せて、フレームワークと基本的ビジョンの考案にも力を注いだ。
(1)トライアングル論の構築。日本経済が基軸に資本と技術の供与、台湾経済が日本と中国の間の中間媒介 項に位置し、中間技術と中間財の中継基地的役割を演じる。そして中国経済が底辺に位置し、世界市場への進出をはかる。ここに一台一中の三者からなるトライアングル網が形成し発達する。三様の計量的・構造的分析がそれによってダイナミックに描出できるものと考える。
(2)国際経済における台湾経済の位置づけ。台湾の対外貿易・投資ならびに「華人経済圏」との接近が台湾経済自身ならびに東アジア経済全体に与えるインパクトがクローズアップされるように、この点の作業が欠かせられなくなった。本研究計画はかかる時代的要請に応じるべく、研究課題に組み入れることとし、作業を進めている。新たな知見と成果が期待されるものと考える。

Research Products

• [Publications] 三 照彦(村岡輝三): "在国際経済演変中的台湾経貿関係(中文)" 中央研究院中山人文社会研究所(台湾)紀要. 1-22 (1995)
• [Publications] 三 照彦(村岡輝三): "華人経済と日本(共著・仮題)(「両岸」経済関係の進展と台湾の「南向政策」)" ダイヤモンド社, 280 (1995)