1994 Fiscal Year Annual Research Report
情報テクノロジーの進化が戦略的コントロールに与えるインパクトの研究
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06451114
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
浅田 孝幸 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (10143132)
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Keywords | 戦略的コントロール / 情報ネットワーク / 分権的管理 |
Research Abstract |
本年度では、戦略、情報システム、組織学習、戦略的コントロール、ついて、サーベイと企業への聞き取りも行った。以上の結果、本年度における研究活動より得られた知見は次のとうりである。(1)CALS(continuous acquisition lifecycle systems)を利用した情報ネットワークが、航空機会社により世界的な規模で、経営データから技術データまで含めて瞬時に移転される構造が利用されており、このような基幹ネットワークシステムは、経営方法や管理方法へ大きな影響をもち、設計リ-ドタイムの劇的な低下、開発期間の大幅な低減という効果をもち、一般製造業に急速に普及する可能性がある。(2)事業グループ制とSBU制が、フラットな組織を実現すると同時に、本部のサービス支援機能の集中化と業務執行機能の分権化を促している。社内電子ネットワークシステムがこれを支援し、本部による事業部、および製品事業系列のモニタリングの1手段に使われており、戦略的な管理(事業の清算、リストラ、組み替え)を機動的に行う手段になる。(3)電子メールシステムなどの情報系システムは、販売担当者を環境モニタリングの先兵、また経営管理判断の基盤として位置づけが進みつつある。これは、中間管理者の情報伝達機能を相対的に弱めており、組織のフラット化と情報共有化に大きなインパクトを与えつつある。(4)ホワイトカラーの業務は、情報ネットワークに先進的な一部企業では、プロジェクト中心に運用されており、定常的業務への配分時間の管理とプロジェクト業務時間の厳密な管理が行われており、これは、経営目標へのホワイトカラーの業績評価方法を劇的に変更する可能性がある。
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Research Products
(1 results)