1994 Fiscal Year Annual Research Report
企業集団における銀行の支配統制力の日独比較-エージェンシー理論による「共同決定制度」の分析とわが国への適用の試み
Project/Area Number |
06451115
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
小山 明宏 学習院大学, 経済学部, 教授 (50146320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 泰 明治大学, 商学部, 助教授 (70201952)
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Keywords | 企業集団 / 銀行支配 / コ-ポレート・ガヴァナンス / 共同決定 / エージェンシー理論 / モニタリング・システム / ユニバーサルバンク / 役員兼任 |
Research Abstract |
本年度は、来年度に、より大規模に行う予定の実証研究の準備のための期間と位置づけ、当初から理論的なバックグラウンドの再確認を行いつつ、データの収集や整理に努めた。当初購入予定だったデータは、とりあえず必要なものは、研究代表者の友人であるドイツの教授たちから貸与してもらえることが判明し、むしろその効率的な処理のためにいかなる準備が必要かということが問題となった。これらのデータが今やCD-ROMで提供されることが常識となっている現在、CD-ROMリーダーを内蔵した高速処理パソコンの必要性を痛感し、購入した。また、より柔軟なデータ処理のため、既に所有するノートパソコンにもCD-ROMリーダーを接続した。銀行の影響力に関しては、日独である程度共通の認識があり、今後企業の銀行離れが加速化するという憶測が見られるが、企業、ひいては産業全体の健全な発展のためには、むしろ企業に対する銀行のコントロールパワーの健全な育成が急務であると考えられ、その機能について、モデル分析を試みつつある。また、1994年5月に、ドイツ・ニュルンベルグの研究会で試論的な発表を行い、好感触をえた。その延長として、1995年6月にドイツで行われるドイツ経営学会第57回大会で、このテーマで発表することが認められ、鋭意ドイツ語で本研究の理論的背景と日独の実証的な比較をとりまとめつつある。なお、その中間報告的な内容を単行本の一部として執筆し、今春刊行される予定である。
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