1995 Fiscal Year Annual Research Report
企業集団における銀行の支配統制力の日独比較-エージェンシー理論による「共同決定制度」の分析とわが国への適用の試み
Project/Area Number |
06451115
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Research Institution | GAKUSHUIN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小山 明宏 学習院大学, 経済学部, 教授 (50146320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 泰 明治大学, 商学部, 助教授 (70201952)
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Keywords | 企業系列 / コンツェルン / メインバンク / エージェンシー理論 / エージェンシーコスト / コ-ポレート・ガヴァナンス / 共同決定制度 / モニタリング・システム |
Research Abstract |
がわ国とドイツでは銀行制度が根本から全く異なることから、それぞれ企業系列及びコンツェルンで果たす役割、影響力の行使方法・程度には自ずから違いがある。昨年度行った、どちらかといえば規範論的なアプローチに続き、本年度は出来うる限りサンプルを集め、ドイツで行われた実証研究と同じフレームワークで、わが国の企業について計測を行った。銀行が企業経営にコミットしている程度と当該企業の収益性との関連について、エージェンシー理論の見地から尺度を考案し、その関連性について統計的な分析を行った結果、計測を行う時期の違いによってかなり結果には差異が現れることが明らかとなった。ドイツでは3大銀行を中心とする銀行の、企業経営のコミットの程度と当該企業の収益性には正の相関、あるいはプラスの影響効果が観察され、わが国では1982年度には銀行家らの派遣役員比率、1987年度にはそれプラス銀行及びグループ金融機関の持ち株比率が当該企業の収益性にプラスの影響効果をもたらすことが観測されたが、まだとりまとめていない他の計測時期の結果をも勘案すると、1980年以降のわが国の経済状況の変遷との関わり合いから、このような銀行による影響の時系列的な比較分析を行うに当たっては、バブル経済へ向かったわが国企業・銀行の行動をかなり斟酌したデータの取り扱いが必要であることがはっきりとした。なお、この計測とその解釈については、計画通り1995年6月にドイツ、ラインランド・プァルツ州トリア-市、トリア-大学で開かれたドイツの経営学会第57回大会でドイツ語で発表し、大きな反響を得た。その成果は『経営管理と規制』という研究書の一つの章としてドイツで公刊され、がわ国の企業と銀行の関係に対するドイツでの関心を高めることとなった。これらの成果は残りの部分を含めて、出来る限り早くとりまとめる予定である。
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[Publications] 小山明宏,ドレス・H: "日独企業の比較分析のために(3)…「金融系列」の基本的再検討(3)…" 学習院大学経済論集. 第33巻第2号. 1-15 (1996)
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[Publications] 小山明宏: "企業と銀行の関係の日独比較-エージェンシー理論による考察" 学習院大学経済経営研究所年報. 第8巻. 29-53 (1996)
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[Publications] Koyama, A.: "Der EinfluB der Bankregulierung aut die Profitabilitat von Unternehmen…ein Vergleich zwischen Japan und Deutschland" Czap et. al, (Hrsg.) : Unternehmensfuhrung und Regulierung, GABLER. (1996)
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[Publications] 小山明宏: "資本市場と金融機関の役割" 高橋俊夫編:コ-ポレート・ガバナンス…日本とドイツの企業システム. 75-88 (1995)
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[Publications] 小山明宏: "負債調達の分析" 高橋三雄,伊丹敬之,杉山武彦編:意思決定の経済分析. 169-188 (1995)
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[Publications] 上田 泰: "集団意思決定研究-集団の世界観相互異質性効果に対する実証可能性の検討-" 分眞堂, 290 (1996)