熱帯材貿易構造の国際比較研究-日韓木材輸入資本を事例として-

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06451122
• Research Category: Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
• Research Institution: University of Tsukuba
• Principal Investigator: 熊崎 実 筑波大学, 農林学系, 教授 (00215021)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 増田 美砂 筑波大学, 農林学系, 助教授 (70192747) ; 成田 雅美 筑波大学, 農林学系, 助教授 (30164502) ; 荒谷 明日児 木材情報センター, 主任研究員
• Keywords: 南洋材 / 木材貿易 / 森林開発 / 日本 / 韓国

Research Abstract

本研究の目的は、それぞれの経済構造を反映しながら展開してきた日韓の熱帯材貿易構造の特徴を明らかにすることにある。特に熱帯産木材生産が急速に削減され、生産国における木材加工産業が成長し、地球環境問題も強調されている今日において、これらに両国がどのように対応しているかを明らかものである。そこで平成6年度では、両国の熱帯材貿易の展開過程を比較することに重点をおいて調査および分析が行った。調査は、文献収集と現地調査に分けて実施した。現地調査は資料収集の分析にもとづき木材輸入業者を類型化した上で、代表的企業に対する面接調査を行った。韓国に関する情報は、韓国林業研究院の協力を得て収集した。
日本の熱帯材輸入構造は、「日本木材輸入協会」の南洋材部会の会員によるものと非会員によるものとに分けられ、57の会員による輸入が約8割を占めており、残りは非会員によるものである。会員による輸入はその規模が比較的大きく、合板用材、製材などの一般用材に使えるものが多いことに対し、非会員によるものは小規模で、特殊材の輸入が多い。
韓国は日本と比べて熱帯産木材の歴史が短く、低等級の熱帯産木材の輸入を望んでおり、丸太の場合マレーシアとパプア・ニューギニア2カ国への依存度が非常に高いこと、森林開発分野における外国投資が多いことなどが特徴としてあらわれた。
最近の熱帯産木材輸入をめぐる大きな特徴としてあらわれたのが輸入先の多角化と輸入品目の多様化でり、両国とも同じ方向に向かっている。その理由は生産国の林産業の工業化と環境保護機運の高まりがあげられるが、日本の場合円高がこれに加われる。具体的にみると、北欧やアフリカのシェアが増加しており、付加価値製品輸入へのシフトが目立つ。